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〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【週刊 世界キリスト教情報】 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2023/1/30 (第1671信) ―――――――― 《ハイライト》 ◎2023年度「世界広報の日」に向け教皇メッセージ 【CJC】教皇フランシスコは、カトリック教会の2023年度「第57回世界広報の日」のためのメッセージを発表した。バチカン・ニュース(日本語版)によって紹介する。 「世界広報の日」は、様々な形のメディアを通して行う福音宣教について、教会全体で考え、祈ることを目的とするもので、毎年、聖霊降臨の前週の日曜日(2023年度は5月21日)に、一方、日本の教会においては復活節第6主日(今年は5月14日)に行われる。 これに先立ち、毎年、ジャーナリストの保護者、聖フランシスコ・サレジオ司教教会博士の記念日1月24日に、教皇によるメッセージが発表された。 教皇はこれまでの「来て、見なさい」、「心の耳で聴く」といったテーマに続き、今年は「『愛に根差した真理に従い』心を込めて話す(参照=エフェソ4・15)」(仮訳)を選ばれた。 メッセージで教皇は、「行く、見る、聞くようにわたしたちを動かすのは心である。心が開かれた、受容的なコミュニケーションを行わせる」と述べている。 そして、耳を傾けることを学んだ後、対話と分かち合いを発展させたもの、すなわち心のこもったコミュニケーション、愛に根差した真理に従った会話を学ぶよう教皇は招いている。 イエスは、「木はそれぞれ、その結ぶ実によって分かる」(参照=ルカ6・44)。 「善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は、心からあふれ出ることを語るのである」(参照=ルカ6・45)と言われた。 それゆえ、わたしたちが「愛に根差した真理」に従って語るためには、自らの心を清める必要がある。純粋な心で聞き、話してこそ、わたしたちは外見の奥にあるものを見、混乱した騒音を克服することができる、と教皇は述べている。 心を込めて伝えるとは、読む人、聞く人に、今日の人々の喜びや恐れ、希望や苦しみに対するわたしたちの分かち合いを理解してもらうことである。このように話す人は、相手を大切に思い、その自由を尊重する、と教皇は言う。 このようなコミュニケーションのために、教皇は、イエスが十字架上の死を遂げた後、エマオへ向かう弟子たちに話しかけた不思議な「旅人」をモデルとして示している。 復活されたイエスは、悲しむ弟子たちの歩みに尊重をもって付き添いながら、心を込めて話しかけられる。実際、弟子たちは、その「旅人」と話しながら、「心が燃える」(参照=ルカ24・23)のを感じていた。 分極化や対立の構図が目立つこの時代、教会共同体でさえもその影響を受けていないとはいえない。このような中、「心から」「広げた両腕から」のコミュニケーションのための努力は、情報にたずさわる者たちだけでなく、すべての人の責任でもある。教皇は、わたしたち皆が、真理を語り、それを愛をもって行うよう召されている、と述べる。 教皇は、「心を込めて話す」ことの最も輝ける模範を示した人として、帰天400年を迎えた聖フランシスコ・サレジオ司教・教会博士を挙げられた。そして、同聖人の柔和で、人間性にあふれ、反対者をも含むすべての人と忍耐強く対話する姿勢は、神のいつくしみの愛のすばらしい証しとなった、と思い起こされた。 「心は心に語る」という同聖人の言葉は、世代を超えた多くの人に影響を与えた。その一人である、ジョン・ヘンリー・ニューマンは、この言葉をモットーに選んだ。教皇はニューマンの「よく話すためには、よく愛するだけで十分である」という言葉を引用されている。 聖フランシスコ・サレジオの、「わたしたちが伝えるのは、わたしたちそのものである」という教えに触れつつ、教皇は、今日のソーシャルメディアが、ありのままの自分ではなく、「かくありたい自分」を伝えるために利用されていることをも指摘している。 教皇は、この「優しさの聖人」から、真理を勇気と自由をもって語り、物々しい攻撃的な表現を用いる誘惑を退けることを学ぶよう勧めている。 教皇は、教会においても耳を傾け、また耳を傾け合うことの必要が大いにある、と述べ、心に灯をともし、心の傷に塗る香油となり、兄弟姉妹たちの歩みの光となるコミュニケーションの構築を急務として提示された。 そして、教皇は、聖霊に導かれた、親切で、同時に預言的な、第三千年期にふさわしい新しい福音宣教の在り方を見い出し得る、教会のコミュニケーションを望まれた。 「穏やかに語る舌は骨をも砕く」(箴言25・15)。「心を込めて話す」ことは、戦争のある場所に平和の文化を推進し、憎しみと敵意が荒れ狂う場所に対話と和解の道を開くために、またとなく必要とされている、と教皇は強調。 世界的な紛争を生きる今日の劇的状況において、対立的でないコミュニケーションを確立することが求められている、と述べている。 教皇は、対話に開き、統合的な軍縮を進め、闘争的な心理状態を解くことに努力する伝達者の必要を説きつつ、聖ヨハネ23世の次の言葉を示された。「真の平和は、ただ相互の信頼のもとにのみ築くことが可能である」(回勅=地上に平和を)。□ ―――――――― ◎エルサレム礼拝所銃撃で7人死亡=イスラエル・パレスチナ間で暴力の応酬続く 【CJC】東京新聞カイロ報道によると、イスラエル占領下の東エルサレムにあるユダヤ教の礼拝所で1月27日夜、銃撃事件があり、付近にいた通行人ら少なくとも7人が死亡、3人がけがをした。28日朝にも東エルサレムの旧市街近くで銃撃があり、ユダヤ人2人が重傷を負った。 イスラエル当局によると、礼拝所を銃撃したのは、東エルサレムのパレスチナ人の男(21)。車で現場に到着後、建物や通行人に向けて銃を乱射し、その後射殺された。ネタニヤフ首相は事件後に現場を訪れ、「近年で最も深刻な事件の一つで、決意と冷静さを持って行動しなければならない」と述べた。 イスラエルでは昨年末、ネタニヤフ氏率いる右派リクードや極右、ユダヤ教政党など6党による新政権が発足。直後に国家治安相の極右政党党首が、エルサレム旧市街にあるイスラム教とユダヤ教の共通の聖地を訪れるなどし、パレスチナ側が猛反発していた。 イスラエル軍はパレスチナ人への取り締まりを強め、26日には占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプを急襲し、過激派組織「イスラム聖戦」と交戦。パレスチナ人9人が死亡、約20人が負傷した。その後、パレスチナ自治区ガザのイスラム主義組織ハマスがイスラエルにロケット弾を撃ち込み、イスラエル軍は27日に報復の空爆を実施した。□ ――――――――――――― ◎スペイン南部で教会を刃物で襲撃、聖職者1人死亡=テロ疑い容疑者拘束 【CJC】パリ発共同通信によると、スペイン南部アルヘシラスで1月25日、男が複数のキリスト教会や周辺で人々を大型の刃物で襲い、教会関係者1人が死亡、聖職者1人を含む4人が負傷した。捜査当局は男を拘束し、イスラム過激思想の影響を受けたテロの疑いがあるとみて動機を追及する。スペイン通信(EFE)などが伝えた。 男はモロッコ国籍のヤシン・カンサ容疑者とされる。目撃者の話によると犯行時に「アラー(イスラム教の神)」と叫んでいたという。 スペインのサンチェス首相はツイッターで、死亡した教会関係者の遺族へ弔意を表明し、当局の捜査を全力で支えると訴えた。□ ――――――――――――― ◎ウクライナ東部ソレダルで抗戦続く=「ロ軍に大きな損害」とゼレンスキー大統領 【CJC】キーウ/ソレダル近郊(ウクライナ)発ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は1月12日のビデオ演説で、東部ソレダルのウクライナ軍は陣地を維持しており、ロシア軍に大きな損失を与えていると述べた。 ゼレンスキー氏は、ソレダルの2部隊に対する感謝を表明し、「持ち場を死守し、敵に大きな損失を与えている」と述べた。詳細は明らかにしなかった。同氏はまた、ウクライナ軍の上級司令官と会談し、ソレダルや周辺地域の戦闘に対する増援などについて詳細に分析したと述べた。 ロシアのプーチン大統領の盟友が経営する民間軍事会社ワグネル・グループは、ソレダルを制圧したと宣言していた。 ロシアが任命した現地当局者はオンライン放送で、ソレダルには「幾つか小さな抵抗地区」が残っていると述べた。米当局者は、ソレダルでのロシア勝利が事実だとしてもその重要性を疑問視している。 米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官はホワイトハウスで記者団に「(近郊の要衝)バフムトとソレダルの両方がロシア側に落ちたとしても、戦争自体に戦略的な影響を与えることはないだろう」と述べた。 東部ドネツク州のキリレンコ知事は国営テレビに対し、15人の子どもを含む559人の民間人がソレダルに残っており、避難することができないと述べた。□ ―――――――― ◎教皇出席の「世界青年の日」ミサ向け7億円余の祭壇支出に激しい批判 【CJC】ポルトガルの首都リスボンで今夏8月1~6日に行われるカトリック教会の行事「世界青年の日」を巡り、教皇フランシスコが出席するミサで使用される祭壇設置に市が500万ユーロ(約7億円)余り拠出すると発表され、交流サイト(SNS)で激しい批判が巻き起こっている。リスボン発ロイター通信報道を紹介する。 カルロス・モエダス市長は「祭壇の詳細は当局と教会、バチカン(ローマ教皇庁)との話し合いで決定した」とした上で、「非常に高額な」行事だと認めた。 SNSでは、インフレ加速の中で祭壇にこれほど高額な支出を行うことに数千人が市長批判を投稿。革新系である左翼ブロックの議員はツイッターに「問題は資金不足でなく支出の優先順位だ」と投稿した。 統計局によると、リスボンの家賃は2017年から53%上昇しているが賃金は依然低水準で、労働省によると昨年は労働者の半分以上が月給1000ユーロ以下だった。 「世界青年の日」には、世界から数十万人の青年が参加する。□ ―――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(1月29日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/ ▼教皇フランシスコ=外交使節団への年頭演説=何よりもいのちを守る平和 ▼教皇、AIの活用に警鐘=弱い人の排除につながる ▼教皇の一般謁見講話=宣教はキリスト者の「活力」 ▼赤ちゃん緊急保護システム開設16年=「ゆりかご」に命救われた ▼シノドス準備=「大陸ステージ」へ=日本からのレポート提出 =KiriShin(1月21日・既報)=http://www.kirishin.com =クリスチャン新聞(1月29日)=http://クリスチャン新聞.com ▼阪神淡路大震災28年=「祈りは力、神の武器」=追悼の集い「祈り会」で森祐理さん ▼「はこぶね」代表大藪真樹さん=社会的養護下の若者支援=〝信頼できるオトモダチ〟としてつながり続ける ▼BLM拡大のミネソタ諸教会が準備=分断こえ「善と義」=キリスト教一致祈祷週間開催 ▼《訃報》徳善義和氏逝去=国際的なルター研究者 カトリックとも対話 ▼火のついた新約学者ゴードン・フィー追悼 ――――――――――――― ■ #
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| 2023-01-30 21:56
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【週刊 世界キリスト教情報】 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2023/1/23 (第1670信) ≪ 目 次 ≫ ▽韓国が最大労組に捜査=「北」指令で反政府活動の疑い ▽米国での差別撤廃「進展せず」=キング牧師の娘が演説 ▽教皇、シノドス控え9月末にエキュメニカルな祈祷集会予告 ▽教皇、フィンランドのエキュメニカル使節の訪問を受ける ▽教皇、ミャンマーでカトリック教会が放火、全焼したことに悲しみ表明 ▽フランス人修道女のシスター・アンドレ死去=世界最高齢、118歳 ▽《メディア展望》 ――――――――――――― ◎韓国が最大労組に捜査=「北」指令で反政府活動の疑い 【CJC】ソウル発産経新聞報道によると、韓国の情報機関、国家情報院(国情院)と警察は1月18日、北朝鮮の指令で所属幹部らが反政府活動を行った疑いがあるとして、国家保安法違反容疑で韓国最大の労働組合の全国組織「全国民主労働組合総連盟(民主労総)」のソウルにある本部などに家宅捜索に入り、強制捜査に着手した。 韓国紙、文化日報などによると、民主労総の幹部は、海外で北朝鮮の工作員と接触して北朝鮮の指令を受け、反政府活動を行った疑いが持たれている。幹部は別の保健医療部門の幹部や地方の自動車労組の幹部を通じて地下組織を構築したとみられている。□ ――――――――――――― ◎米国での差別撤廃「進展せず」=キング牧師の娘が演説 【CJC】ワシントン発共同通信によると、米公民権運動の黒人指導者キング牧師の功績をたたえる祝日の1月16日、末娘バーニス・キングさん(59)が南部ジョージア州アトランタで演説し、米国での差別撤廃は「ほとんど進んでいない」と訴え、いら立ちや失望をあらわにした。AP通信が伝えた。 キング牧師が「私には夢がある」と演説したワシントン大行進から今年8月で60年となる。バーニスさんは人種差別のほか、警察の暴力や経済上の不公平、強硬な移民政策が見られると指摘。改善されない現状に「疲れ、いら立ち、失望した」と嘆いた。 人種差別撤廃に取り組んだキング牧師は、ノーベル平和賞を受賞。39歳だった1968年に南部テネシー州で暗殺された。1月15日が誕生日であることにちなみ、1月第3月曜日が祝日に定められている。 同日、首都ワシントンでは、黒人を中心とした参加者がキング牧師のイラストが入った横断幕を掲げて行進。ロシアによるウクライナ侵攻を念頭に「戦争反対」と抗議する人の姿も目立った。 バイデン大統領は、ワシントンで開かれた公民権団体のイベントで講演した。自身が就任した2021年1月以降の2年を振り返って「私たちは多くのことを一緒にやり遂げてきた。このまま続けよう」と述べ、政権への支持を訴えた。□ ――――――――――――― ◎教皇、シノドス控え9月末にエキュメニカルな祈祷集会予告 【CJC】教皇フランシスコは1月15日のお告げの祈りで、18日から始まる「キリスト教一致祈祷週間」への関心を呼びかけた。 「キリスト教一致祈祷週間」は、毎年1月18日から25日まで、キリスト教諸教会の間で行なわれる。すべてのキリスト者の一致のために共に祈り、分かち合うことを目的とする同週間の精神の中心には、「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17・21)というイエスの祈りがある。 教皇は、イザヤ書からとった今年の同週間のテーマ「善を行い、正義を追い求めなさい」(参照 イザヤ1・17)を紹介。 ご自身の民を誠実と忍耐のうちに完全な一致へと導かれる主に感謝し、聖霊の照らしと支えを皆で祈るよう招いた。 また、教皇は、キリスト者の一致の歩みは、教会のシノドス的回心の歩みと結びついている、と指摘。 こうした中、今年10月に開催される「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会」の作業を神に委ねるため、9月30日夜、バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)広場でエキュメニカルな祈りの集いを行う旨を発表した。 同祈祷集会に訪れる若者たちのために、その週末、テゼ共同体の企画による特別なプログラムが用意されることを予告しつつ、教皇は、この神の民の集いに、すべてのキリスト教諸教会からの広い参加を訴えた。□ ――――――――――――― ◎教皇、フィンランドのエキュメニカル使節の訪問を受ける 【CJC】教皇フランシスコは1月19日、フィンランドのエキュメニカル(超教派)使節をバチカン宮殿に迎えた。バチカン・ニュース(日本語版)が同日報じた。 フィンランドの使徒、「ウプサラの聖ヘンリック司教・殉教者の祝日」(1月20日)および「キリスト教一致祈祷週間」(1月18日~25日)を記念し、毎年同国からエキュメニカル使節がローマを訪れる。 教皇は今年、同使節団として訪れたルーテル教会とカトリック教会の関係者はもとより、正教会とメソジスト教会からの代表とも出会えたことに喜びを表明した。 また、教皇は、使節代表が挨拶の中で表した、名誉教皇ベネディクト16世逝去に対する弔意に感謝を述べた。 さらに、生命の源であり出会いの場所であるバルト海に残酷で非道な戦争の痛ましい空気が満ちている、との使節代表の言葉を受け止めながら、教皇は「戦争は常に敗北である」と語った。 先日記念した「主の洗礼」の祝日に触れた教皇は、唯一の洗礼に結ばれたキリスト者たちは、神と人と被造物との和解を可能にした洗礼の恵みに感謝すると共に、「和解の子」として、人々の間に、そして世界に和解をもたらすよう召されている、と話した。 同様に教皇は、キリストの神秘体の一致を深く傷つけた、キリスト者間の分裂の歴史を超え、一致を望む愛からほとばしる、真の情熱の必要を強調。 疲れることなく愛し、希望し、イエスを告げ、一致を築こうとの熱意を燃やし続けることができるよう、教皇はこの燃える情熱の賜物を使節の人々と共に神に祈った。□ ――――――――――――― ◎教皇、ミャンマーでカトリック教会が放火、全焼したことに悲しみ表明 【CJC】教皇フランシスコは、1月22日のお告げの祈りで、ミャンマーのカトリック教会が放火された事件に触れた。 この集いで教皇は、ミャンマー北西部チャンターにある被昇天の聖母教会が放火され、全焼したことに、悲しみを表明。同教会がミャンマーのカトリック教会の中でも最も古く重要なものの一つであることに言及した。 教皇は、ミャンマーの多くの都市で辛い試練の下に置かれている無実の市民らに寄り添いを示した。 そして、この紛争が一刻も早く終わり、赦しと愛と平和の時代が訪れることを願いながら、聖母に祈りを捧げた。 また、この席で教皇は、ペルーにおいて暴力的行為を止めるようにと呼びかけ、「暴力は問題の正しい解決への希望を消してしまう」と話した。 ペルーでは、前大統領が拘束されたことに抗議するデモが激化、警察隊との衝突で死傷者が相次いでいる。□ ――――――――――――― ◎フランス人修道女のシスター・アンドレ死去=世界最高齢、118歳 【CJC】米メディア『CNN』によると、世界最高齢と認定されたフランスの修道女、シスター・アンドレ(本名リュシル・ランドンさん)が1月17日、南部の町トゥーロンで亡くなった。118歳だった。 トゥーロン市長は同日、「世界最高齢のシスター・アンドレが亡くなった」とツイッターで発表した。 広報担当者によると、シスター・アンドレは現地時間の17日午前2時、息を引き取った。「これは大きな悲しみですが、本人はそうなることを望んでいました。最愛のきょうだいのもとに行くことが、彼女の願いでした。これは彼女にとっての自由なのです」とコメントしている。 ギネスの2022年4月の発表によると、ランドンさんは1904年2月11日に生まれ、生涯のほとんどを宗教活動にささげてきた。修道女になる前の第2次世界大戦中は子どもたちのために献身し、その後の28年間は親を亡くした子どもや高齢者に病院で寄り添った。 ランドンさんは、それまでの世界最高齢だった田中カ子(かね)さんが22年4月に119歳で死去したことを受け、世界最高齢と認定された。 史上最高齢と認定されているのもやはりフランス人女性で、ギネス記録によると、1875年2月21日に生まれたジャンヌ・ルイーズ・カルマンさんの生涯は、122年と164日に及んだ。□ ――――――――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(1月22日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/ ▼ベネディクト16世逝去=知恵と優しさと献身で福音を明かした全生涯=葬儀ミサで教皇フランシスコ ▼「たくさんの感謝の気持ち」=前教皇の逝去当日に教皇フランシスコ ▼日本の教会としてミサささげる=「愛」語った前教皇を追悼 ▼ベネディクト16世の遺言=「しっかりと信仰を保つ」 =KiriShin(1月21日)=http://www.kirishin.com ▼シリーズ「2世」の呻き=宗教界こそ目を向けるべき ▼日本オリベットアッセンブリー教団=本部を天城山荘に移転 ▼日本基督教団=網中彰子氏が女性初の総幹事に ▼日本キリスト教婦人矯風会が声明=平和外交求め、原発回帰に反対 ▼キリスト教専門古書店、友愛書房が2月で閉店 ――――――――――――― =クリスチャン新聞(1月22日)=http://クリスチャン新聞.com ▼北はある日突然崩れると…=北朝鮮収監から解放の牧師『だれを私は恐れよう』出版記念 ▼命のビザがつないだ神戸=ユダヤ人避難民子孫、祖父母の足跡辿る ▼中国の信教の自由=教会持続に神学必要=カルヴァン・改革派神学研究所講演会で松谷曄介氏 ▼視覚障害者がオンライン集会で困ったこと=視福協盲人伝道セミナーから ▼聖路加チャプレン裁判=東京地裁が男性牧師のわいせつ行為認める ――――――――――――― ■ #
by cjc-skj
| 2023-01-23 17:59
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【週刊 世界キリスト教情報】 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2023/1/16 (第1669信) ≪主宰者からお願い≫ 毎年のことながら、ご支援のお願いをいたします。 週刊『世界キリスト教情報』は、創刊以来、無償のボランタリー活動としてまいりました。受信頂く場合にも「無償」を前提としています。 ただ活動が皆さまのお支えによっていることも確かです。 『CJC通信』『世界キリスト教情報』に2022年の1年間お付き合いくださった方にお願いします。年間1000円を1口として、出来れば数口ご支援いただけますとありがたく存じます。新聞、雑誌、電子情報メディア、ブログなどに転載使用されておられる場合は、「原稿料」としてご配慮いただきたく存じます。 ※ ご支援いただけます際は主宰者・郡山千里(コオリヤマ チサト)の下記口座にお振り込みをお願いします。 ◆三菱UFJ銀行 支店番号422 口座番号3811065 ◆みずほ銀行 支店番号282 口座番号0889492 ◆ゆうちょ銀行 10170-39250661 領収証を必要とされる方は主宰者(ckoriyama++gmail.com)までご連絡くださいませ。その折りには++部分を半角の@に差し替えていただきたく存じます。 『世界キリスト教情報』は、個人の活動ですので、ご支援いただきましたものが主宰者個人の収入になることをご了承願います。また健康など一身上の事情で活動を休止せざるを得なくなる場合についてもご理解いただきたく存じます。 ご支援いただきましても、それが今後の配信をお約束するものではないことも、ご了承くださいますようお願いいたします。(主宰者) ≪ 目 次 ≫ ▽バイデン米大統領、キング牧師の教会で演説、分断解消呼びかけ ▽教皇「核の脅威の下では全員が敗者」=駐バチカン外交団との集いで発言 ▽コンゴの教会、日曜礼拝中に爆発、10人死亡 ▽東部ソレダルで抗戦続く、ロ軍に大きな損害=ゼレンスキー氏 ▽フィリピンで「ブラックナザレ祭」3年ぶり開催 ▽オーストラリアのジョージ・ペル枢機卿死去=少年虐待で逆転無罪 ▽《メディア展望》 ――――――――――――― ◎バイデン米大統領、キング牧師の教会で演説、分断解消呼びかけ 【CJC】米公民権運動の黒人指導者、故キング牧師の誕生日に当たる1月15日11時、バイデン米大統領は南部ジョージア州アトランタのキング氏ゆかりのエベネザー・バプテスト教会で説教し、「米国民がキング氏の生涯から学び、社会の分断や過激主義や不正義の解消に向かうべきだと訴え、米国の魂を懸けた闘いは続いている」と語った。 キング牧師の誕生日の時期に同教会を訪れる現職大統領は多いが、日曜礼拝の説教をしたのはバイデン氏が初めて。 同教会の牧師を務める民主党のラファエル・ウォーノック上院議員が招待した。ウォーノック氏は同日、民主党か共和党かといった党派や肌の色の違いを超えた連帯の重要さをキング氏が思い起こさせてくれると語った。 ロイター通信は、バイデン氏が2020年に大統領選で勝利した際は、選挙権拡大に向けた働きかけや他の人種差別問題の解決を訴えることで黒人有権者から強く支持されたが、その後はバイデン氏の行動が不十分だと失望を表明する動きもある、と伝えている。□ ――――――――――――― ◎教皇「核の脅威の下では全員が敗者」=駐バチカン外交団との集いで発言 【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは1月9日、駐バチカン外交団に年頭の言葉を述べた。 この朝、バチカンの祝福の間で行われた新年の挨拶交換には、バチカンと外交関係を持つ国々・組織の大使・使節が一堂に集まった。 現在、バチカンと外交関係のある国は183カ国。これらに、欧州連合とマルタ騎士団が加わる。 教皇は外交団に向けた言葉で、分裂と戦争が広がる世界にあって、今年が平和の希求の年であることを願われた この機会に教皇は、大使たちが代表するそれぞれの国の国民と政府に挨拶をおくると共に、名誉教皇ベネディクト16世逝去の際に、各国の当局が寄せた弔意と寄り添いに感謝を表された。 教皇は、昨年の教皇庁と各国の外交関係上の動きとして、新たに4カ国がバチカンとの外交のためにローマ駐在の大使を任命したこと、サントメ・プリンシペ民主共和国、カザフスタン共和国と、新たな2カ国間合意の署名が行われたことを挙げた。 こうした中で、教皇は、尊重的かつ建設的対話のもとに、教皇庁と中華人民共和国が2018年9月22日に北京で締結した司教任命をめぐる暫定合意を、さらに2年延長することで一致したことに触れ、この関係がカトリックの教会生活と中国国民の善への寄与を促すことができるようにと述べた。 聖ヨハネ23世の回勅「地上に平和を」の発表(1963年4月)から、今年で60年を迎えることを紹介しつつ、教皇はこの回勅が書かれた背景には、核戦争の危険を引き起こした1962年10月のキューバ・ミサイル危機の生々しい記憶があったと説明。この時、核兵器の破壊力の影響を自覚し、対話を優先しなかったならば、人類は全滅の一歩を記していただろう、と話した。 しかしながら、今日いまだに核の脅威は回避されず、世界を恐怖と不安に陥れている、と述べた教皇は、「核兵器の所有は倫理に反する」「核兵器による脅しの下では、いつもわれわれ全員が敗者である」と明言した。 教皇は特に「イラン核合意」が中断していることを懸念、より安全な未来のために、一刻も早い具体的解決を願った。 今日、グローバル化した世界で第3次世界大戦が進行している、と話す教皇は、世界の特定の地域で発生している様々な戦争が、事実上、すべての人々を巻き込んでいると指摘。その最も近く、かつ最近の例として、ウクライナにおける戦争の死と破壊を見つめた。 教皇は、戦争は、特に子どもや高齢者、障害者など、最も弱い立場の人々を苦しめ、家族を引き裂き、周辺地域はもとより、ヨーロッパ外にも影響を及ぼし、特にアフリカや中東のエネルギーや食料生産に影響を与えていると述べ、この意味のない戦争を直ちに止めるようアピールした。 他の緊張と紛争の舞台として、教皇は、再生のための改革が必要なシリア、パレスチナとイスラエル間の暴力の増加により多くの犠牲者と相互の不信を生じさせている聖地に言及。 特にエルサレムが「平和の都市」として、出会いと平和的共存の場所・シンボルとなり、聖なる場所におけるアクセスと宗教の自由が保証されることを願うと同時に、イスラエルとパレスチナが二国家解決の実現に向けた直接対話において勇気と決断を見出すことができるよう励ました。 また、教皇は1月末に訪問するアフリカ2カ国について、コンゴ民主共和国では東部における暴力の停止と、安全と共通善のための対話を呼びかけ、また、英国国教会のカンタベリー大主教とスコットランド国教会議長と一緒に訪れる南スーダンでは、人々の平和の叫びに声を合わせ、国内の和解プロセスに役立ちたい、と抱負を述べた。 教皇は、未解決紛争の重い影響が続く南コーカサスの状況に、停戦合意の順守と、捕虜の兵と市民の解放が、和平への道標となることを望んだ。 さらに、教皇は、停戦が続く一方で地雷で多くの市民が命を落としているイエメンや、和平の進展が期待されるエチオピア 、テロに苦しむアフリカ東部などへの憂慮や関心を示した。 アジアに目を向けた教皇は、すでに2年間、暴力と苦しみと死を体験しているミャンマーが対話に向けて歩み出せるよう、国際社会の支援を呼びかけた。 また、教皇は、朝鮮半島について、長く待たれる平和と朝鮮半島のすべての人々の繁栄を築くための、調和への善意と努力を願った。 すべての紛争が、しばしば力による均衡に基づく平和を理由に、新しい武器の生産に頼り続け、その結果、致命的な余波を招いていることを教皇は指摘。 こうした論理を取り除き、統合的な軍縮を進める必要を強調しながら、「死の道具が氾濫する場所に平和はない」と語った。 そのほか、教皇は、聖ヨハネ23世の回勅「地上に平和を」が説くように、平和のための四つの基礎として、真理、正義、連帯、自由を提示。 これらの基礎に照らしながら、人権の尊重や、いのちの擁護、死刑制度の廃止、家庭や子を持つことを恐れる傾向、統合的教育の必要、宗教の自由、他文化との出会いと対話、移民問題、経済と労働、環境保護、政治社会の分極化など、多岐にわたるテーマ・課題に関心を呼びかけられた。□ ――――――――――――― ◎コンゴの教会、日曜礼拝中に爆発、10人死亡 【CJC】ナイロビ発共同通信によると、コンゴ(旧ザイール)東部の北キブ州カシンディで1月15日、日曜礼拝中の教会で爆発があり少なくとも10人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)が関与を主張した。コンゴ軍はISと連携する地元の反政府勢力「民主同盟軍」(ADF)が実行したとみている。ロイター通信などが伝えた。 コンゴ東部では携帯電話に使われるタンタルなどの鉱物を目当てに武装勢力が乱立し、紛争が続いている。AP通信によると、ADFの攻撃による市民の犠牲者は昨年4月以降、少なくとも370人に上る。□ ――――――――――――― ◎東部ソレダルで抗戦続く、ロ軍に大きな損害=ゼレンスキー氏 【CJC】ソレダル近郊/キーウ(ウクライナ)発ロイター通信(日本語)によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は1月12日のビデオ演説で、東部ソレダルのウクライナ軍は陣地を維持しており、ロシア軍に大きな損失を与えていると述べた。 ゼレンスキー氏は、ソレダルの2部隊に対する感謝を表明し、「持ち場を死守し、敵に大きな損失を与えている」と述べた。詳細は明らかにしなかった。 ゼレンスキー氏はまた、ウクライナ軍の上級司令官と会談し、ソレダルや周辺地域の戦闘に対する増援などについて詳細に分析したと述べた。 ロシアのプーチン大統領の盟友が経営する民間軍事会社ワグネル・グループは、ソレダルを制圧したと宣言していた。ただ、ロシア政府は公式な勝利宣言を控えている。 ロシアが任命した現地当局者はオンライン放送で、ソレダルには「幾つか小さな抵抗地区」が残っていると述べた。 米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は、ホワイトハウスで記者団に「(近郊の要衝)バフムトとソレダルの両方がロシア側に落ちたとしても、戦争自体に戦略的な影響を与えることはないだろう」と述べた。ロイターは独自に戦況を確認することができなかった。 ロシアがソレダルを掌握できればバフムトへの攻撃を強化できる可能性が高い。またソレダルには岩塩坑があり、商業的に有利な資産となる可能性もある。 東部ドネツク州のキリレンコ知事は国営テレビに対し、15人の子どもを含む559人の民間人がソレダルに残っており、避難することができないと述べた。□ ――――――――――――― ◎フィリピンで「ブラックナザレ祭」3年ぶり開催 【CJC】フィリピンの首都マニラで1月8日未明、奇跡的な力を持つと信じられている黒いキリスト像を山車に載せて市内を練り歩く恒例の「ブラックナザレ祭」が開かれた。 さまざまな情報が流れる中、AFP通信(日本語版)によって経緯を紹介する。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりとなった今年の「ブラックナザレ祭」では、感染拡大予防の取り組みとして、本来のキリスト像を登場させず、また例年より1日早い8日に開催し、参加者の数を抑制した。 等身大の黒いキリスト像をめがけて大勢が殺到する祭りは例年、熱狂的な盛り上がりを見せる。黒いキリスト像に触れたり近づいたりすると難しい病気が治るといった幸運が舞い込んでくると広く信じられている。 教会関係者によると、真夜中のミサ後に始まった行進には推定8万人以上が参加。通常であれば数十万人の参加者がある。 ただ、今年は開催当日に参加者が密集しないよう、キリスト像がマニラ市内や近郊の教会を数週間かけて巡回。信者が像を近くで見たり触れたりできるよう機会を設けていた。□ ――――――――――――― ◎オーストラリアのジョージ・ペル枢機卿死去=少年虐待で逆転無罪 【CJC】シドニー発時事通信によると、オーストラリア最高位のカトリック聖職者で、バチカンの幹部だったジョージ・ペル枢機卿が1月10日、ローマの病院で、心疾患のため死去した。81歳だった。 ペル氏は少年への性的虐待を巡り、下級審で実刑判決を受けたが、最高裁で逆転無罪となった経緯がある。 1941年、豪ビクトリア州生まれ。メルボルンやシドニーの大司教を経て枢機卿となり、2014~191年にバチカンの財務責任者を務めた。 ペル氏はメルボルン大司教当時の1990年代に、10代前半の少年2人に性的虐待を行ったとして起訴された。2019年に一審と控訴審で禁錮6年の刑が言い渡されたが、20年に最高裁は一転して無罪判決を下した。 ペル氏は1月5日、前教皇ベネディクト16世の葬儀に参列したが、関節手術のため入院していた。シドニーで埋葬される予定。□ ――――――――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/ =KiriShin(1月11日)=http://www.kirishin.com ▼シリーズ「2世」の呻き=「チキラボ」調査で課題浮き彫り=“カルト”だけが問題ではない ▼「被害者救済新法」成立で全国霊感商法対策弁護士対連絡会が会見=「防止にも救済にも役に立たず」 ▼聖路加国際病院チャプレン裁判=元牧師らに賠償命令 ▼「安保3文書」の閣議決定に抗議=カトリック正義と平和協議会「平和の枠組み作りの役割を」 ▼イラン、治安当局刺した罪で抗議デモ参加者に初の死刑執行 =クリスチャン新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=http://クリスチャン新聞.com ――――――――――――― ■ #
by cjc-skj
| 2023-01-16 15:25
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【週刊 世界キリスト教情報】 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2023/1/9 (第1668信) ≪ 目 次 ≫ ▽ロシアがクリスマス中、「一方的停戦」入り=ウクライナ拒否 ▽イスラエル警察、キリスト教墓地荒らしで10代少年2人逮捕 ▽名誉教皇ベネディクト16世の葬儀が1月5日、バチカンで ▽ベネディクト16世の墓、一般公開、訪問可能に ▽「神の正義は、愛と憐れみから来る正義」教皇、日曜正午の祈り ▽イラン、反政府デモめぐり新たに2人死刑に ▽サッカー元ブラジル代表ペレの葬列行われる ▽《メディア展望》 ――――――――――――― ◎ロシアがクリスマス中、「一方的停戦」入り=ウクライナ拒否 【CJC】ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を巡り、東方正教のクリスマス(1月7日)に合わせた6日正午からの停戦を軍・国防省に命じた。期間は36時間。ウクライナにも呼び掛けたが、ゼレンスキー大統領は拒否し、祝祭を「隠れみの」に態勢を立て直すのが狙いだと非難した。時事通信の報道によって事態の推移を紹介する。 停戦の具体的な動きは、昨年2月の侵攻開始後初めて。ロシア正教会トップのキリル総主教が5日、「全当事者」に提案したのを受けた形だが、実質的にプーチン政権が主導したもようだ。 プーチン氏との「蜜月」で知られる総主教は「正教信徒が降誕祭(クリスマス)前夜から当日の祈とうに参加できるようにするため」だと訴えた。これまで「祖国の難局」に際して団結すべきだと信徒を鼓舞し、侵攻に全面協力していた。 ウクライナのポドリャク大統領府顧問は5日、ツイッターで「ロシア正教会は世界の正教の権威ではなく、戦争のプロパガンダを流すばかりだ」と痛烈に批判。唐突なクリスマス停戦を「わな」と一蹴し、警戒を怠らないよう促した。 クリスマス停戦を巡っては、ロシア側にも懸念の声がある。軍出身のグルリョフ下院議員は「ウクライナ人は正教を裏切った。1月7日ではなく(西側諸国と同じ)12月25日に祝うようになった」と述べ、祝祭に際した停戦は困難と強調。相手ばかりが攻撃すれば、大損害を被る恐れもあると警告した。 ロシアが「停戦」の理由とした東方正教のクリスマス(7日)の祈とうが6日夜、両国で始まった。「信徒が前夜と当日の祈とうに参加できるように」と停戦を提案したロシア正教会のキリル総主教は、モスクワの救世主キリスト大聖堂で儀式を執り行った。ロシア通信によると、プーチン大統領はクレムリンの生神女福音大聖堂に足を運んだ。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は6日夜、自国民に向けて祝福の動画メッセージを公表。「われわれは全員でウクライナの大家族だ。勝利を信じて団結している」と強調した。□ ――――――――――――― ◎イスラエル警察、キリスト教墓地荒らしで10代少年2人逮捕 【CJC】サウジアラビアのリヤドで発行されている日刊英字紙「アラブ・ニュース」(日本語版)がエルサレム発で報じるところでは、イスラエル警察は1月6日、エルサレムのプロテスタント墓地にある複数の墓が倒され土台から引き抜かれているのが1日発見された事件に関連して10代の少年2人を逮捕した。 少年たちは20基以上の墓を破壊したと供述している。 170年以上の歴史を持つこの墓地にはエルサレムの著名な軍人や聖職者が眠っている。 米国大使館パレスチナ担当事務所は5日遅く、この宗教的な場所がまたも標的とされたことに「懸念」を表明した。墓地が荒らされたのはこの10年で2度目だ。 同事務所は「宗教的な場所の破壊行為は誰によるものであれ容認できない。エルサレムは全ての住民のための都市でなければならない」と述べた。 イスラエル警察は容疑者の名前を公表していないが、2人は18歳と14歳でイスラエル中心部の住民という。 犯行時の防犯カメラの映像には、ユダヤ教の頭蓋帽をかぶりツィーツィート(戒律を順守するユダヤ教徒が着用する結び目のある儀式用の房)を着けた若い男性2人が十字架を倒し、墓石を破壊し、墓に向かって瓦礫を投げつける様子が映っていた。 イスラエル警察は、「宗教的な施設や場所に対するいかなる損壊行為も重大な問題であり、エルサレムに存在する独自で繊細な生活構造を害するものである」としたうえで、この行為は「意図的な破壊行為」と述べた。 エルサレムの裁判所は6日、審理を行って少年2人の勾留期間を延長した。□ ――――――――――――― ◎名誉教皇ベネディクト16世の葬儀が1月5日、バチカンで 【CJC】名誉教皇ベネディクト16世の葬儀が1月5日、バチカンで教皇フランシスコによって行われた。バチカン・ニュース(日本語版)によって経緯を紹介する。 葬儀ミサが行われた聖ペトロ(サン・ピエトロ)広場には、ローマ、イタリアからはもとより、世界各国から多くの参列者が集い、故名誉教皇の冥福を共に祈った。 儀式には、葬儀を主宰する教皇フランシスコをはじめ、120人以上の枢機卿、400人以上の司教、およそ4000人の司祭が参加した。 名誉教皇の葬儀のため、イタリアとドイツ両国からそれぞれの大統領率いる公式使節が参列したほか、ヨーロッパを中心にした世界各国から、元首や首相、政府や王室の代表が出席した。 また、正教会、プロテスタントの諸教会の使節、ローマのユダヤ教共同体、イタリアとローマのイスラム教関係者の代表も参列した。 ミサ開始前には、大聖堂内からベネディクト16世の棺が「セディアーリ」と呼ばれる職員らによって広場に運ばれ、信者らによるロザリオの祈りが行われた。 入祭の行列に続き、葬儀ミサが始まった。 ミサでは、「みことばの典礼」とそれに伴う説教を教皇が、後半の「感謝の典礼」を枢機卿会主席のジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿がとり行った。 通常、前任教皇の葬儀を、後継者の教皇が行うことはまれ。ある教皇の逝去後、葬儀の段階は「使徒座空位」期間であり、後継教皇を選出するコンクラーベ(教皇選挙)はまだ行われていないため。 しかし、ベネディクト16世の場合、生前退位であったため、後継者の教皇フランシスコがその葬儀を行うことになった。 前任教皇の葬儀を、後継教皇が行った前例としては、ナポレオン軍の「捕虜」となり、1799年にフランスのヴァランスで亡くなったピウス6世の葬儀を、遺体がローマに返還された、帰天から3年後の1802年に、後継者のピウス7世が行ったケースがある。 教皇フランシスコは葬儀ミサの説教で、「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」(ルカ23・46)というイエスの十字架上での最後の言葉が表す、御父の御手にたえず自らを捧げ続けたイエスの生涯を観想した。 師イエスに従う者として、感謝と、祈り、聖霊の慰めに支えられ、神と人々のために献身した牧者、イエスの忠実な友であったベネディクト16世を思い起こした。 簡素で厳かな儀式は、会場全体を祈りで包み、わき上がる聖歌の合唱が、宗教音楽をはじめ、音楽に深く親しんだ故名誉教皇をしのばせた。 聖体拝領後、告別の儀式が行われた。司式者のレ枢機卿がベネディクト16世の棺を聖水で祝別し、献香を行い、次いで、教皇フランシスコが告別の祈りを唱えた。 それまで静まり返っていた広場から、割れるような拍手と共に、「Santo subito!」(「すぐに、聖人に」)という叫びと、オマージュのために「ベネディクト」と呼ぶ声が会衆の中から響いた。 故名誉教皇の棺は、入場の時と同様に、再びセディアーリらに担がれた。棺を迎える枢機卿たちの行列が大聖堂内に入っていった。 棺が教皇フランシスコの前に止まると、教皇は棺に向かって十字架のしるしをし、その上に手を置いてしばし祈られた。 最後に、棺は故名誉教皇の秘書ゲンスヴァイン司教らにつきそわれ、埋葬が行われる大聖堂内へと入り、大聖堂正面入り口は赤い覆いによって左右から閉じられた。 霧の中で始まったミサの終わりには、雲間から薄青い空がのぞいた。大聖堂の鐘が鳴る中、ベネディクト16世の葬儀ミサは閉祭した。□ ――――――――――――― ◎ベネディクト16世の墓、一般公開、訪問可能に 【CJC】バチカン・ニュースによると、故名誉教皇ベネディクト16世の墓が、1月8日、一般に公開され、墓前への訪問が可能となった。 バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂の下(グロッテ)には、地下聖堂があり、前世紀以降の歴代の教皇たちをはじめ、多くの教皇たちの墓がある。 故ベネディクト16世は、1月5日、バチカンの広場で行われた葬儀の後、同日、大聖堂地下に埋葬された。 ベネディクト16世が生前希望されたとおり、その墓は、前任者の聖ヨハネ・パウロ2世の墓が以前あった場所につくられた。 聖ヨハネ・パウロ2世の墓は、2011年5月1日に同教皇が列福された後、聖堂地下から、本堂の、ミケランジェロのピエタ像に近い、聖セバスティアノ礼拝堂に移された。 ベネディクト16世の墓は、大理石のシンプルなもので、墓碑銘は「Benedictus PP XVI」とだけ記されている。 故名誉教皇の墓が公開された8日、朝から訪れた人たちが列を作り、墓前で静かに祈りを捧げていた。□ ――――――――――――― ◎「神の正義は、愛と憐れみから来る正義」教皇、日曜正午の祈り 【CJC】教皇フランシスコは1月8日、正午の「お告げの祈り」をバチカンの広場の巡礼者と共に唱えられた。バチカン・ニュースが報じた。 「主の洗礼」の祝日を迎えたこの日、教皇は集いの中で、マタイ福音書の、イエスがヨルダン川のほとりでヨハネから洗礼を受ける場面(3・13~17)を取り上げ、説教を行った。 ********** 教皇の説教の要旨は次のとおり。 「主の洗礼」を祝う今日、福音書はわたしたちに驚くべき光景を見せてくれる。ナザレ での隠れた生活から、イエスが初めて公の場に姿を現したのだ。イエスはヨハネから洗礼を受けるために、ヨルダン川のほとりにやって来たのだった(マタイ3・13~17)。 しかし、イエスが罪びとたちの間に混じっているのを見て、わたしたちは驚き、自問する。神の聖なる人、罪のない、神の御子イエスは、なぜこのような選択をしたのだろうか。 その答えはイエスのヨハネに向けた言葉の中に見つけることができる。「今は、止めないでほしい。正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいことです」(同3・15)。「正しいことをすべて行う」とは、どういう意味だろうか。 イエスは洗礼を受けることで、わたしたちに神の正義を啓示する。イエスはそれをこの世にもたらすためにやって来こられた。 わたしたちはしばしば正義について狭い考えを持っている。そして、正義とは、過ちを犯した人がその報いを受け、そうして犯した過ちを償うことだ、と考えがちである。しかし、神の正義は、聖書が教えるように、もっとずっと大きなものである。 神の正義は、過ちを犯した人を罪に定めることを最終目的とするのではなく、その人の救いと再生、その人を義とすることを目的としている。それは愛から、神の御心そのものである深い憐れみといつくしみから来る正義である。御父は、わたしたちが悪に押しつぶされ、罪と弱さに打ちひしがれているのを見て、憐みをもよおす方である。 すなわち、神の正義とは、罰やこらしめをふりまくことではなく、使徒聖パウロが言うように(参照 ローマ3・22~31)、ご自分の子らを悪のわなから解放し、いやし、再び立ち上がらせ、義とされることにある。 これによって、ヨルダン川のほとりでイエスが啓示したその使命の意味を理解することができるだろう。イエスは神の正義を完成するために来られた。その神の正義とは、罪びとを救うことであった。ご自分の肩に世の罪を背負い、わたしたちがおぼれないように、奈落の水、死まで降りて来られた。 イエスは、真の神の正義とは、救ういつくしみ、わたしたち人間が置かれた状況を分かち合い寄り添う愛、われわれの苦しみへの連帯、わたしたちの闇の中に入り光を再びもたらすことであると教えてくれる。 ベネディクト16世はこう強調している。「神はわたしたちをお救いになろうと、自ら死の深みの底まで降りられました。すべての人、たとえもう空を見ることができないほど低いところまで落ちた人でも、神の御手を見出し、それにつかまり、闇から抜け出し、再び光を見ることができるようになるためでした。人は光のためにつくられているからです」(説教=2008年1月13日)。 わたしたち、イエスの弟子たちは、他者との関係、また教会や社会において、人を良い人と悪い人に分け隔て、裁き、罪に定める冷たさではなく、兄弟姉妹が立ち上がれるようにと、その傷や弱さを分かち合い、受け入れるいつくしみをもって正義を行うよう招かれている。分け隔てるのではなく、分かち合うことである。 わたしたちはイエスのように行わなければならない。分かち合い、重荷を背負い合い、いつくしみをもって見つめ合い、助け合うことである。自分をふり返ってみよう。わたしは分裂させる人か、それとも、分かち合う人だろうか、と。 イエスをお産みになった聖母に祈ろう。イエスが来られたのは、わたしたちの弱さの中に入り、わたしたちに再びいのちを与えるためであった。□ ――――――――――――― ◎イラン、反政府デモめぐり新たに2人死刑に 【CJC】イランは1月6日、昨年から国内各地で続く反政府デモに関連し、モハマド・マフディ・カラミ氏とサイード・モハマド・ホセイニ氏の死刑を執行した。2人は、抗議運動中に治安部隊員を殺害したとして、昨年12月に有罪判決を受けていた。イランの最高裁判所は3日、死刑判決を支持した。抗議運動に関する死刑は4例目となった。 拠点をイラン国外に置く「人権活動家通信」(HRANA)によると、これまでに子ども70人を含む少なくとも516人のデモ参加者が死亡し、1万9262人が逮捕されている。また、保安要員68人の死亡も報告されている。 カラミ氏の家族は、司法当局に死刑を取りやめるよう訴えていた。死刑執行前にカラミ氏との面会に許可は下りなかった、と述べている。 イランの司法当局が運営する「ミザン通信」は、2人が、準軍事組織の幹部ルホラ・アジャミアン氏の殺害の「主犯」だったと報じた。検察側は、殺害された抗議参加者を弔う人々がアジャミアン氏を裸にし、殺したと説明している。 現在、ほかに3人が同じ件で死刑判決を、11人が禁錮刑を受けているという。 国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは、裁判は「でっちあげ」だと非難。イラン当局はほかに少なくとも26人について、死刑を求めていると指摘した。 イラン当局は昨年12月にも、モフセン・シェカリ氏とマジドレザ・ラフナヴァルド氏について同様に、準軍事組織のメンバーを攻撃したとして、死刑を執行している。□ ――――――――――――― ◎サッカー元ブラジル代表ペレの葬列行われる 【CJC】昨2022年12月29日に82歳で死去したサッカー元ブラジル代表ペレ(本名=エドソン・アランテス・ド・ナシメント)氏の葬列が1月3日行われ、多くの市民が史上最高の選手と広く称されるペレ氏に最後の別れを告げた。AFP=時事通信によって伝える。 国全体が3日間にわたって喪に服した後、同国南東部のサントスではペレ氏の通夜と葬列が行われ、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領を筆頭にファンや政治家、サッカー界の重鎮らが、「王様」に弔意を示した。 通夜の最後に、礼服を着た警官10人が黒いひつぎのふたを閉め、カトリック式の儀式が短く行われた。その後、サントス・FCの黒と白のストライプのフラッグと、緑と黄色のブラジル国旗がかけられたひつぎは、消防車の上に置かれ、市内をめぐる大規模な葬列が始まった。 途中には、ペレ氏の100歳の母親セレステさんの住む家に立ち寄り、最後はスタジアム近くの霊園に入って、家族と近親者による葬儀が営まれた。ひつぎはその後、世界一高い墓所としてギネス世界記録に認定されている霊廟(れいびょう)に収められた。 霊園によると、ペレ氏の遺体は防腐処理を施してひつぎに納められ、サッカースタジアムを模した広さ200平方メートルの部屋の中央に置かれるという。□ ――――――――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/ =KiriShin(年初休刊=次号は1月11日付け)=http://www.kirishin.com =クリスチャン新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=http://クリスチャン新聞.com ――――――――――――― ■ #
by cjc-skj
| 2023-01-09 19:11
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 【週刊 世界キリスト教情報】 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2023/1/2 (第1667信) ≪CJC通信2023年配信開始≫ CJC通信は2023年1月2日配信を開始します。(主宰者) -------------------------- ≪ 目 次 ≫ ▽名誉教皇ベネディクト16世、逝去 ▽教皇フランシスコ、12月25日正午に主の降誕メッセージと祝福 ▽セルビア大統領、コソボ北部の抗議停止を要請 ▽「ベラルーシはウクライナ侵攻に参戦しないよう望む」=レズニコフ国防相 ▽プーチン大統領「ウクライナ戦争終結望む」と表明 ▽プーチン大統領、習主席の新年初め訪問を期待 ▽《メディア展望》 ――――――――――――― ◎名誉教皇ベネディクト16世、逝去 【CJC】バチカン・ニュースによると、名誉教皇ベネディクト16世は、2022年12月31日午前9時34分、バチカン市国で逝去した。 バチカン広報局は、「名誉教皇ベネディクト16世が、2022年12月31日午前9時34分、バチカン市国のマーテル・エクレジエ修道院において逝去されたことを、悲しみをもってお伝えする」と声明を出した。 95歳であったベネディクト16世は、2013年2月28日の退位の数カ月後より、同修道院で祈りの生活を送っていた。 教皇フランシスコは、12月28日、バチカンで行われた一般謁見で、ベネディクト16世の重い病状に触れ、「沈黙のうちに教会を支えている」名誉教皇を「主が最後まで彼を慰め、支えてくださるよう」、特別な祈りを信者らに願っていた。 31日正午、バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長は、ベネディクト16世の葬儀等について発表した。 名誉教皇ベネディクト16世の遺体は、別れを告げる信者たちのために、2023年1月2日朝より、バチカンの聖ペトロ(サン・ピエトロ)大聖堂に安置される。 そ名誉教皇の葬儀は、1月5日午前9時30分より、バチカンの聖ペトロ(サン・ピエトロ)広場で、教皇フランシスコによってとり行われる。ブルーニ広報局長によれば、名誉教皇はご自身が生前からそうであったように、葬儀も簡素であることを望まれていた。 また、同広報局長は、ベネディクト16世が12月28日、マーテル・エクレジエ修道院で、ミサの終わりに、病者の塗油の秘跡を受けられたことを明らかにした。 31日夕方、ベネディクト16世の葬儀等に関するより詳しい情報がバチカン広報局より発表された。 名誉教皇ベネディクト16世の遺体は、マーテル・エクレジエ修道院内に1月2日の朝まで留まる。この間、公式な弔問や、公の祈りは予定されていない。 同日午前9時から、ベネディクト16世の遺体がバチカンの聖ペトロ大聖堂に、別れを告げる信者たちのために安置される。 5日午前9時30分から、ベネディクト16世の葬儀が、バチカンの聖ペトロ広場で教皇フランシスコによりとり行われる。参列のための入場券は予定されていない。□ ◎教皇フランシスコ、12月25日正午に主の降誕メッセージと祝福 【CJC】バチカン・ニュース(日本語版)によると、主の降誕祭を迎えた12月25日正午、教皇フランシスコは、聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂の中央バルコニーに立ち、ローマと全世界に向けたメッセージと祝福「ウルビ・エト・オルビ」(都市と世界へ)を発した。 降誕祭を迎えたローマは、おだやかな青空に恵まれた。バチカンの聖ペトロ広場には教皇のメッセージに耳を傾け、祝福を受けるため、世界各国からの巡礼者が集まった。 教皇のメッセージはおよそ次の通り。 ローマと全世界の親愛なる兄弟姉妹の皆さん、主のご降誕おめでとうございます。 おとめマリアから生まれた主イエスが、信頼と希望の源である神の愛を、そして、それと共に平和の賜物を、すべての皆さんにもたらしますように。その平和を天使たちはベツレヘムの羊飼いたちに告げました。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ2・14)。 イエスはわたしたちの間に、沈黙と夜の闇のうちにおいでになりました。それは神のみ言葉が注目を浴びることも、人々の騒ぐ声をも必要としなかったからです。主ご自身が、人生の意味を与え、歩みを照らすみ言葉だからです。「その光は」と福音書は言います、「まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」(ヨハネ1・9)と。 イエスはわたしたちの間にお生まれになる、「人と共におられる神」です。イエスはわたしたちの毎日の人生を共にしてくださるために、喜び、悲しみ、希望、不安のすべてをわたしたちと分かち合うためにおいでになります。寒さの中に、貧しい人々の一人としてお生まれになります。すべてを必要とし、暖かさと身を寄せる場を求めてわたしたちの心を叩きます。 兄弟姉妹の皆さん、ベツレヘムの方を向きましょう。そこでは平和の君の赤子としての最初の泣き声が聞こえてきます。そうです、イエスご自身が「わたしたちの平和」です。この世が与えることのできない平和、神なる御父がこの世に御子を送ることで人類に賜る平和です。 イエス・キリストは、また「平和の道」でもあります。イエスは、その受肉、受難、死、復活を通し、敵意と戦争の闇に押しつぶされた閉じた世界から、兄弟愛と平和のうちに自由に生きることのできる開かれた世界への道を切り開きました。兄弟姉妹の皆さん、この道を進みましょう。しかし、そのためには、イエスの後ろを歩いていくためには、わたしたちの行く手を妨げ、阻む、重荷を脱ぎ捨てなければなりません。 これらの重荷とは何でしょうか。この「がらくた」とは何でしょうか。それらは、ヘロデ王とその取り巻きたちに、イエスの降誕を認め、受け入れることを阻んでいたのと同じ負の情熱、すなわち権力と富への執着、傲慢(ごうまん)、偽善、いつわりです。これらの重荷はベツレヘムへ向かうのを妨げ、主の降誕の恵みから締め出し、平和の道への入り口を塞いでしまいます。事実、わたしたちに平和の君が与えられる一方で、人類の上を戦争の風が冷たく吹き続けるのを、悲しみをもって認めざるを得ません。 もし、降誕がイエスと平和の降誕であることを望むのならば、ベツレヘムを眺め、わたしたちのためにお生まれになった幼子の御顔を見つめましょう。そして、その小さく汚れない御顔に、平和を熱望する世界各地の子どもたちの顔を認めましょう。 わたしたちの目は、ウクライナの兄弟姉妹たちの顔をいっぱいに映し出します。ウクライナの人々は、10カ月にわたる戦争による破壊のために、この降誕祭を暗さと寒さの中で、あるいは自分の家から遠く離れた場所で過ごしています。苦しむすべての人々を助けるために、わたしたちがすばやく具体的な行動を取ることができるよう、また武力を鎮める力を持った人の精神を照らし、この言語道断の戦争を直ちに終わらせることができるよう、主が助けて下さいますように。 わたしたちの時代は、この第3次世界大戦の他の舞台となっている、別の諸地域においても、深刻な平和の飢餓を体験しています。シリアを思いましょう。そこでは、別の段階に入ったものの、終わることのない紛争にいまだ苦しめられています。聖地を思いましょう。そこでは、ここ数カ月暴力と衝突が増え、死者や負傷者を出しています。主の誕生を見たその地において、パレスチナとイスラエルの人々が対話と相互信頼の追求をとり戻すことができるよう主に祈り求めましょう。 幼子イエスが中東全域で暮らすキリスト教共同体を支えてくださいますように。これらそれぞれの国で、異なる宗教に属する人々の間において、兄弟的共存の素晴らしさを経験することができますように。特にレバノンをお助けくださいますように。同国が国際共同体の支援と兄弟愛と連帯の力によって、ようやく再び立ち上がることができますように。 キリストの光が、サハラ砂漠の周辺の乾燥したサヘル地域を照らしてくださいますように。そこでは、衝突と暴力によって人民間の平和的共存と伝統が混乱に陥っています。あらゆる流血の事態が収まるよう、イエメンでの恒久的な和平、ミャンマーとイランにおける和解へと導いてください。 アメリカ大陸における政治責任者らとすべての善意の人々に、様々な国で起きている政治・社会的緊張を和らげるための努力を促してください。わたしは特に長い間苦しんでいるハイチの人々を思っています。 この日々、ごちそうの並ぶ食卓を皆で再び囲むのは好ましいことです。しかし、その間にも、「パンの家」を意味するベツレヘムから視線をそらさないようにしましょう。そして、毎日、大量の食物が無駄にされ、武器のために財源が使われる中、飢えに苦しんでいる人々、特に子どもたちのことを考えましょう。 ウクライナにおける戦争は最近その状況をさらに悪化させ、アフガニスタンやアフリカの角(つの)地域の諸国をはじめ、全人類を飢餓の危機にさらしています。すべての戦争が飢えを引き起こし、すでに苦しんでいる人たちへ食料供給を妨げつつ、食料そのものを武器として利用することを、わたしたちは知っています。 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、慰めと、暖かさ、食べるものを求めてわたしたちの扉を叩く、多くの難民、避難民を忘れないようにしましょう。疎外された人々、孤独な人々、孤児たち、人々の叡智でありながら見捨てられがちな高齢者たち、罪だけを見られ人間として見られることのない受刑者たちを忘れないようにしましょう。 皆さん、ベツレヘムは神の単純さをわたしたちに示してくれます。神はご自身を知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者に、純粋で開かれた心を持つ者に、お示しになりました。羊飼いたちのように、わたしたちもすぐに出かけ、わたしたちの救いのために人となられた神の、想像を絶する出来事に胸を打たれましょう。すべての善の源である方は自ら貧しくなられ、わたしたちの乏しき人間性を乞われます。神の愛に心動かされ、イエスに従いましょう。イエスはわたしたちをご自身の充満に与らせるために、その栄光を脱ぎ捨てられました。 すべての皆さんに、主のご降誕のお喜びを申し上げます。□ ◎セルビア大統領、コソボ北部の抗議停止を要請 【CJC】2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボの北部でセルビア系住民による抗議行動が激化し、セルビア当局者は12月28日、アレクサンダル・ブチッチ大統領が抗議行動を停止するよう要請したことを明らかにした。ロイター通信報道として共同通信が伝えた。 セルビア系の元警察官が12月10日に拘束され、住民の抗議行動につながった。米国とEUは28日、コソボ北部で緊張が続いていると懸念を表明。共同声明で「最大限の自制と緊張を緩和するための行動を直ちに求める」と訴えた。 セルビア系の元警察官は他の警察官に暴行を加えたとして拘束され、反発した住民が警察と銃撃戦を繰り広げるなどした。□ ◎「ベラルーシはウクライナ侵攻に参戦しないよう望む」=レズニコフ国防相 【CJC】キーウ発ロイター通信によると、ウクライナのレズニコフ国防相は12月20日、ロシアがウクライナに対する新たな攻撃を開始するためにベラルーシで攻撃部隊を準備する可能性があるとしながらも、ベラルーシが参戦しないことを望む、と述べた。 ベラルーシはロシアによるウクライナ侵攻に直接加わっていないが、ウクライナ当局によると、2月24日の侵攻開始以来、ロシア軍はベラルーシの飛行場を使用してウクライナへの攻撃を続けている。 レズニコフ国防相の発言に先立ち、ウクライナ軍のセルヒー・ナエフ統合司令官は、ミサイル攻撃を行うウクライナの標的を特定するためにロシア軍機がベラルーシ領空で訓練していると明らかにし、ウクライナ軍は「脅威のレベルを下げるためにあらゆる手段を講じている」と述べていた。 レズニコフ国防相を含むウクライナ当局者は、ロシアのプーチン大統領が19日に国防相と外相を伴ってベラルーシを訪問し、ルカシェンコ大統領と会談したことを受け、ウクライナ侵攻を巡りロシアがベラルーシに、より直接的な役割を果たすことを望んでいるとの見方が出ている。□ ◎プーチン大統領「ウクライナ戦争終結望む」と表明 【CJC】ロイター通信(日本語)によると、ロシアのプーチン大統領は12月22日、ロシアはウクライナでの戦争の終結を望んでいるとし、全ての武力紛争は外交交渉で終結すると述べた。 プーチン大統領は記者団に対し「われわれの目標は軍事衝突を継続することではない。逆に、この戦争を終わらせることを目標としている。この目標に向け努力しており、今後も努力を続ける」とし、「これを終わらせるために努力する。当然、早ければ早いほど望ましい」と語った。 その上で「これまでに何度も言っているが、敵対行為の激化は不当な損失をもたらす」と指摘、「全ての武力紛争は何らかの外交交渉によって終結する」とし、「遅かれ早かれ、紛争状態にある当事者は交渉の席について合意する。ロシアに敵対する者がこうしたことを早く認識するのが望ましい。ロシアは決して諦めていない」と述べた。 米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はオンライン形式の記者会見で、プーチン大統領は「交渉の意図があることを全く示していない」と指摘、「全く逆だ。プーチン氏が行っていることは全て、戦争をエスカレートさせる意向を示している」と述べた。 その上で、バイデン大統領はプーチン大統領との会談を排除していないが、プーチン氏が交渉に真剣な姿勢を示し、ウクライナのほか同盟各国と協議した後のみに実現するとの見方を示した。 ウクライナのゼレンスキー氏は21日に訪米し、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談した後、議会で演説。米政府はゼレンスキー氏の訪問にあわせ、ウクライナに対し広域防空用地対空ミサイルシステム「パトリオット」を含む18億5000万ドルの追加軍事支援を行うと発表した。□ ◎プーチン大統領、習主席の新年初め訪問を期待 【CJC】ロイター通信報道によると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12月30日、中国の習近平国家主席が新年初めに国賓として公式訪問することを期待していると述べた。 プーチン氏はまた、中国との軍事協力を促進することを目指していると述べたが、中国の国営放送局(CCTV)は、これについて言及していない。 米国は、中国がロシアに味方することを「懸念している」と述べ、ウクライナとの戦争でロシアに軍事支援を提供したり、西側諸国の制裁を回避するのを助けたりした場合について北京に警告したことを確認した。 国務省の報道官は「我々は北京の活動を注視している。北京は中立を主張しているが、その行動は、依然としてロシアとの緊密な関係にあることを示している」と指摘した。□ ――――――――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(1月1日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/ ▽教皇「世界平和の日」メッセージ=受け全ての危機は関連し合う ▽教皇の一般謁見講話=目を覚ましている信者に ▽カトリック新聞創刊100周年に寄せて(日本カトリック司教協議会 会長 東京大司教 菊地功) ▽司教のための社会問題研修会=「日本の軍拡の現状」と平和 =KiriShin(1月1日・年初休刊)=http://www.kirishin.com =クリスチャン新聞(1月1・8日)=http://クリスチャン新聞.com ▽ミャンマー軍事クーデター2年 緊迫状況今も=「人も自分も助かる道求めたい」=クーデター直後からオンライン祈祷会開き続けた渡邉さん ▽「憲法改正、何が問題?」テーマに星出卓也氏=“お墨付き”与える憲法明記=第34回JEA信教の自由セミナー ▽第2回難民・移民フェス=川口市で=誰も難民紛争問題に無関係ではありえない ▽聖書同盟ディボーション誌『みことばの光』=新サイクルに工夫 グループ活用も ▽廃炉作業を阻む高い放射線=地元に痛み強いる処理水放出(木田恵嗣=郡山キリスト福音教会牧師) ――――――――――――― ■ #
by cjc-skj
| 2023-01-02 19:56
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