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コリン・ウイリアムズ総幹事は7月18日、記者団に加盟教会との協議について、CECがより明確な戦略に立つ、首尾一貫した組織であるべきだ、との声が上がっていることを明らかにした。 「CECの変革が必要なことは皆気づいている。50年を経て根本的な改革が必要なのだ」と議長団の1人、正教会サッシマのゲンナディオス府主教も語っている。□ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎カルヴァンの遺産は今も南アに重荷 【CJC=東京】16世紀の宗教改革者ジャン・カルヴァンの生誕500年を記念する催しが世界各地で催された。その中で南アでは教会に止まらず、国家・社会の深部に至るまで、カルヴァンの影響は大きく、今日でもなおその渦中にある。 南アに欧州から入植したのはオランダ改革派教会の信徒だった。南ア最大の悲劇とも言えるアパルトヘイト(人種隔離政策)をカルヴァンの教えを援用して神学的な基礎付けをしたのも同派の神学者だった。現在でも、白人主体の教派では、それを否定していないところがあるほど。ただ一方でアパルトヘイトを強く批判、反対する動きが同派の中から出て来たことも確かだ。 1685年、フランスで信仰の自由を保証した「ナントの勅令」がルイ14世によって廃止されたのを受け、厳格なカルヴァン主義者であるユグノー派がオランダに脱出した。オランダ東インド会社の手配で、5年間の予定で南アに移住することになった。インドネシア入植者のために野菜や果物を補給するため、ということで農場と農機具は用意されていたが、中には医師、教師、牧師、弁護士もおり、結局、カープスタット(ケープタウン)を中心に南アに腰を落ち着けることになった。 勤勉という労働倫理を推奨したカルヴァンの影響を受け、南アのユグノー派は教会と経済に重要な役割を果たし、国の将来を左右するようになった。 ユグノー派によって始められた南ア改革派教会は19世紀末までに、黒人、混血、インド系、白人と人種によって分離されるようになり、20世紀に入ってそれぞれの教会を形成するようになった。 1948年、ダニエル・マラン牧師が首相となり、「隔離」という伝統的な人種政策を、与党の政策とした。60年代に入って、改革派教会のベイヤーズ・ノーデ牧師らが反アパルトヘイト活動を精力的に行った。彼自身、白人優越主義の秘密結社『ブレーデルボンド』のメンバーでもあったが、60年のシャープビル虐殺事件をきっかけに、反人種隔離活動に参加、63年には教会を追放され、政府から公的な場での演説禁止などの処分を受けた。改革派神学者の革新派は黒人も白人もノーデ氏を支援したが、政府側から非難の的とされた。 ノーデ氏は、反アパルトヘイト闘争の先鋒だったアフリカ民族会議(ANC)に加わり、94年には白人与党との政権交渉に、ANCから唯一の白人として参加した。 先ごろ、米改革派教会総会で南ア・ステレンボッシュ大学のラッセル・ボットマン牧師は、学生時代に、カルヴァン主義によって正当化されていたアパルトヘイト神学とどのように決別したか、を語った。「78年春のある日、アパルトヘイトは、異なった人種間の不和を出発点にしており、それはイエス・キリストの和解の福音の核心と対立するものなのだ、との結論に達した」と言う。 82年には、世界改革教会連盟がカナダのオタワで開催した常議員会でアラン・ブーサク牧師が議長に選出された。当時ブーサク氏は、混血のオランダ改革派教会議長だった。ブーサク氏は、カルヴァンとカール・バルトの教義に関する神学的理解を展開した。キリスト者はキリストの福音の核心において和解の証人であるという神学理解は、もはや南半球の一角のものではなく、改革派の伝統と教会を通じて超教派的な課題だ、とボットマン氏は語った。 同大学のディルク・スミット教授は、80年代から90年代に黒人系改革派教会が反アパルトヘイト闘争で果たした役割について、「アパルトヘイト政府の正当性について、教会が声なき人の声となることについて、公共の場面に積極的に参画することの限界について、良心的兵役拒否など市民としての不服従の権利について、非暴力抵抗の可能な形態について、自由のための暴力と武力闘争の正当性についてまでも、当時は激しい議論を交わした。これらの議論の中で、弱者を守り、圧制に抵抗するため、為政者の責任に関するカルヴァンの信念は重要な役割を果たした」と語った。 スミット氏は、南アで今日カルヴァンを覚えるということは、ただ彼を賞賛することを意味しているのではなく、今なお有効なその遺産と伝統に立脚している、と言う。同大学で8月30日から9月2日まで「カルヴァン09会議」を開催する。□ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎「非武装集団」にも従軍牧師を、と英シンクタンク 【CJC=東京】英国国教会で主教削減論が出ている中で、最高指導者カンタベリー大主教が、スティーブ・ヴェンナー氏を「従軍主教」に任命すると発表した。キリスト教シンクタンクの『エクレシア』がこれを受けて、「非武装集団」に従軍牧師がいても良いのではないか、と提案している。米宣教通信ANSが報じた。 欧米などのいわゆるキリスト教国では、従軍牧師(司祭)制度をとっている所が多い。 『エクレシア』は平和運動団体『クリスチャン・ピースメイカー・チームズ』と協同している所から、今回の提案を、教会指導者が平和建設へのキリスト者の関わりを重要視していることを強調するのに役立つ、と示唆している。 キリスト者は、世界各地で平和建設、調停、非暴力的な紛争解決に関わっている。さらにそのような活動の重要性を政策決定者が強く意識するようになっている、と『エクレシア』は指摘する。 『エクレシア』のジョナサン・バートリー共同ディレクターは「非暴力の平和建設者の活動は、戦闘地域の危険や恐怖の中で行われることも多く、現代の陰の功績の一つだ。そのような英雄的な活動がもっと認められるようにならなければ残念。教会が平和のメッセージを口にしながら、公式に認知するのが軍隊だけ、というのは不手際もはなはだしい」と言う。 『エクレシア』は、英国国教会で、戦略的な平和建設の重要性について意識が強まっている、と見る。ウエイクフィールド主教は7月初め上院で初めて演説したが、その際、紛争防止を優先するよう政府に提案、国際的な保護の問題に「国家中心」が行過ぎないよう警告した。 『エクレシア』が取り上げた非暴力構想には、紛争状態にある人たちが平和建設するのを支援、訓練する『レスポンディング・トゥー・コンフリクト』、『クリスチャン・ピースメイカー・チームズ』、『エキュメニカル・アカンパニメント・プログラム・イン・イスラエル・アンド・パレスタイン』(EAPPI)、『ピース・ブリゲイズ・インターナショナル』などがある。□ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎北朝鮮がキリスト者女性を処刑か 【CJC=東京】北朝鮮では所有が禁止されている聖書を配布したとして、キリスト者のリ・ヒョンオクさん(33)が、この6月16日、中国との国境付近の竜川で公開処刑された、と韓国の活動家が7月24日語ったとAP通信などが報じている リさんは韓国と米国のためにスパイ行為も行い、反体制派を組織したことで告発された、と韓国の人権擁護グループが、北朝鮮から得た資料を元に語った。リさんの夫、子ども、両親も政治犯収容所に送られた、と言う。公営の北朝鮮中央通信の報道はない。□ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎イラクでキリスト者男性殺害、AFP通信報道 【CJC=東京】政情不安が伝えられるイラク北部モスル郊外で、飲料メーカー経営者の兄弟アラ・バシル氏(30)が7月26日射殺された。AFP通信が報じた。同氏はキリスト者だが、殺害原因がその信仰にあったのかは不明。モスルでは昨年10月、キリスト者がイスラム教過激派の襲撃を恐れて2275家族が脱出、郊外のタルキーフに独自の集落を作ったという。 事件はモスルとタルキーフを結ぶ道路の中間にある飲料メーカーの工場で起きた。襲撃者が守衛を殴打、責任者を出せと要求していた所にバシル氏が出てきたので、射殺、逃走した。 2003年の米軍侵攻以来、イラク全土で80万人いたキリスト者数百人が殺害されたと見られ、教会も襲撃されている。3分の1以上のキリスト者が出国したと推定されている。□ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎アクロポリス博物館が正教会の抗議受け映画の場面カット 【CJC=東京】ギリシャにこの6月に開設された『アクロポリス博物館』。入館者にパルテノンの歴史とキリスト者による破壊を説明する映画を製作したが、全編13分の一部、1分40秒のアニメを早くも削除することになった。同館が7月26日明らかにした、とロイター通信が報じている。 現地メディアは、同国で圧倒的な影響力を持つギリシャ正教会が抗議した、と報じたが教会側の公式発表はない。 「かつて聖職者が大理石を破壊したそのことを今回は映画に行った。これでは自分の名を外さなくてはならない」と製作者のコスタ・ガヴラス氏はテレビで語っている。 『アクロポリス博物館』は、1806年に英国のロード・エルギンがパルテノンから持ち去った大理石の彫刻を取り戻し収蔵する目的で計画されたが、訴訟が長引き、開館も大幅に遅れた。「エルギン・マーブル」と呼ばれる彫刻は大英博物館に陳列された。□ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 《メディア展望》 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― =カトリック新聞(7月26日)=http://www.cwjpn.com ★第2回人権シンポジウム=すべての人の人権を守るために=3司教 教会の使命提起 ★船員の心に触れる=訪船司牧 横浜港で初の研修会 ★「疲れない」共同体に=外国籍信徒と失業者支援=静岡 磐田教会と掛川教会 ★日本の青年=イスラエルパレスチナ訪問へ=出発前、東京で「友好の集い」=平和をつくる子ども交流プロジェクト ★半数以上は非信徒=「若者と聖書」の集い広がる=高松教区 ★イラクで教会爆破7件=4人死亡、30人以上負傷 =キリスト新聞(7月18日)=http://www.kirishin.com ★“プロテスタント宣教”=琉球伝道ぬきに語れない=饒平名氏「今も差別の意識と構造」 ★ジュネーヴ礼拝式を再現=カルヴァン生誕500年で記念集会 ★日基教団=創立記念日礼拝に300人=山北議長「教会はただ伝道のため」 ★金沢=ヴォーリズ設計の清泉幼稚園=建て替え「歴史継承」 ★パウロの遺骨発見?=墓の調査で教皇が言及 ★大英図書館=現存する最古の聖書:シナイ写本がネット公開 (7月25日) ★150年目の課題と現実=「説教」と「女子教育」の役割語る=基調講演で加藤常昭氏・湊晶子氏 ★“平和と調和の源として信仰を”=歓迎レセプションでリリマッセ副議長 ★第52回日本バプテスト同盟総会=「按手礼」で20年ぶりの改正 ★出版販売協会が5年ぶり新人研修=平野克己氏“神の言葉に誠実に” ★日基教団富士見町教会が地域再開発に参画=13年度、新教会堂完成目指す ★ジュネーヴ=カルヴァン生誕500年記念礼拝=ニオミ総幹事「正義に関心集中すべき」 =クリスチャン新聞(7月19日)=http://jpnews.org ★カルヴァン生誕500年記念し 晩年の礼拝 再現=練られた公同の祈り=ジュネーヴ詩篇歌を体感 ★ソマリア=過激武装勢力が子ども2人を処刑 ★日本宗教連盟=「いのちの尊厳」慎重審議を=臓器移植法改正で2次臨調要請 ★最古の聖書 シナイ写本=大英図書館がネット公開 ★ソドムは死海の北東部にあったか ★「英国がイスラム国家になる?」 (7月26日) ★日本プロテスタント宣教150周年記念大会=諸派が一つに船出=先人の労苦心に刻み ★イラク=6教会相次ぎ襲撃 ★不可能が可能に=旭川ゴスペルナイト=10教会で3千人会場の伝道大会実現 ★デントン・ロッツ氏に「宗教の自由国際賞」 ★宗教改革ゆかりのジュネーヴで=カルヴァン生誕500年記念礼拝=市長、カトリック関係者も出席 ★米長老派神学校学部長に修道女 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●世界キリスト教情報●ご案内 ☆活動をご紹介 ……………………… http://homepage3.nifty.com/cjc-skj/ ☆既刊号をご覧頂くには ………………………… http://cjcskj.exblog.jp/ ☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用願います。 ……………………… http://www.kohara.ac/church/ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■
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| 2009-07-27 11:01
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