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┏週刊━━━━━
┃世界 ┃キリスト教 ┃情報No.1193 ┗━━━━━━━ 2013.12.2 (連絡先:cjcpress@gmail.com) = 目 次 = ▼「信仰年」閉幕ミサで教皇が使徒的勧告『喜びの福音』 ▼教皇が「からだの復活」をテーマにキリスト教的死を考究 ▼教皇がプーチン大統領と友好的に会談 ▼クロアチアが同性婚に「ノー」 ▼米最古の印刷本が14億円で落札 ▼「司祭は政治問題に直接関与してはならない」とソウル大司教 ▼《短信》 ▼《メディア展望》 ―――――――― ◎「信仰年」閉幕ミサで教皇が使徒的勧告『喜びの福音』 【CJC=東京】カトリック教会典礼暦で「王であるキリスト」の大祝日を迎えた11月24日、バチカンで「信仰年」の閉幕ミサが教皇フランシスコによって行われた。 サンピエトロペトロ広場でとり行われた閉幕ミサには、世界各国から約6万人の信者が参加した。教皇フランシスコを囲み、カトリック東方典礼をはじめ多くの枢機卿・司教らが儀式を共同司式した。 ミサでは、初めて使徒ペトロの聖遺物(遺骨)が祭壇にもたらされた。この聖遺物箱は、普段はバチカン宮殿の教皇官邸の聖堂に保管されている。ミサ中の献金は、台風で膨大な被害を受けたフィリピンの被災者におくられる。 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇はミサの中で、「信仰年」を締めくくるものとして、使徒的勧告『エヴァンジェリ・ガウディウム』(喜びの福音)を、5大陸の教会と社会を代表する36人に手渡した。その内容が26日発表された。 使徒的勧告は、「福音の喜びは、イエスに出会う人々の心と全人生を満たします」という言葉で始まる。教皇フランシスコは現代の世界に福音を告げるための考察を展開すると共に、2012年10月にバチカンで開催された「キリスト教信仰を伝えるための新しい福音宣教」をテーマにした第13回通常シノドス(世界代表司教会議)の成果を活かし、取り入れている。 この使徒的勧告で、教皇は「これからの教会の歩みの道のり」を、主に五つの観点から示した。 (1)「喜び」に特徴付けられる「福音宣教の新しい一歩」をしるすよう招いている。教皇はすべての信者に、自分の人生で体験したイエスの愛、その喜びと友情を新しい熱意と活力をもって他の人々に告げるよう、キリスト者の恒久の使命を強調している。 (2)福音本来の新鮮さを取り戻すことから始まる、「創造力と大胆さをもった刷新」を呼びかけている。このために教皇は、司牧・宣教上の回心と、教会がより宣教的になるための構造改革の必要を述べている。そして、この司牧的回心は、小教区、司教、教皇に至るまで及ぶべきものとしつつ、教会の合議性をより高め、より良い宣教・教会活動のために必要以上の中央集権制、聖職者主義などを見直し、地方教会の貢献を活かすと共に、信徒や女性の役割を広げることを提案している。 (3)「より開かれた、受け入れの心と慈しみある教会」へのアピール。教皇は教会の扉は開かれているべきとし、教会は慈しみの場であり、断罪の場ではない、神は赦すことにおいて疲れを知らないと記している。皆が秘跡に近づきやすいようにし、教会は「関所」ではなく、誰もが疲れた時に自分の場所を見出せる「父の家」でなくてはならないとする。福音を告げることにおいて、そこには寄添いと、尊重、同情、成熟に向けた忍耐があるべきであり、司祭の説教も単なる道徳主義・教化主義に陥らず、常に希望を与えるものであるよう願っている。 (4)「対話と出会い」。教皇は他のキリスト教教会、また諸宗教、そして無宗教の人々との対話を促している。その対話は「明確なアイデンティティーと喜び」に裏付けられたものであり、福音宣教を曖昧にするものではない。教皇は特に今日においてイスラム教との対話を、非常に大きな重要性を持つものとして注目。イスラム伝統国でキリスト教徒の信仰の自由が守られると共に、欧米においてイスラム教徒がその自由を享受できるようにと希望されている。 (5)「教会は預言的な声」であるべきであり、たとえ反対の風潮の中でも、勇気を持って話すことが要求されるとする点。教皇は教会が「貧しい人のための、清貧な教会」であるよう説いている。「強者の論理」が勝る現在の経済システムを根本から正しくないものとして訴え、切捨て、拒否される人々への関心を、政治家や教会共同体に呼びかけている。教会が守るべき存在として、特に生まれてくる子どもたちの命、家庭の絆を挙げている。□ ―――――――― ◎教皇が「からだの復活」をテーマにキリスト教的死を考究 【CJC=東京】教皇フランシスコは、バチカンのサンピエトロ広場で11月27日、水曜恒例の一般接見を行った。 教皇は、「使徒信条」中の「からだの復活を信じます」という部分を取り上げ、「からだの復活」には、「イエス・キリストにおいて死ぬこと」と「イエス・キリストにおいて復活すること」の二つの側面があることを指摘、当日は前者について解説した。 教皇は「死はすべての終わり」という、現代人が陥りやすい「死」に対する誤った考えは、人間の生を「誕生」と「死」という2面からしか捉えられないことより来るものと述べた。 「イエスの復活は、死の彼方のいのちに対する確信を与えただけでなく、わたしたち一人ひとりの死の神秘をも照らし出した」「イエスと共に生きるならば、死の過ぎ越しにも、希望と平安をもって向き合うことができる」と、キリスト教的な死の意味を観想するよう教皇は求めた。 そして、天の御父のもとでのもう一つのいのちに向けて、死への良き準備をするよう教皇は勧め、そのためにも特に祈り、秘跡に近づき、兄弟姉妹への愛徳の業に励むよう呼びかけた。□ ―――――――― ◎教皇がプーチン大統領と友好的に会談 【CJC=東京】教皇フランシスコは11月25日夕、ロシアのウラジミール・プーチン大統領をバチカン(ローマ教皇庁)に迎え、使徒宮殿で35分にわたり会談した。ロシアの元首と教皇の会見は初めて。 会談の内容は、ロシアにおけるキリスト教の貢献を始め、中東事情、特にシリア情勢にもわたった。プーチン大統領は、サンクトペテルブルクで行われたG20サミットの際に教皇から送られた書簡に感謝の意を表明した。 教皇が大統領にバチカン庭園のモザイクを贈ったのに対し、大統領はロシア正教徒が崇敬するウラジミルのマドンナのイコンを送った。 バチカン報道事務所長のフェデリコ・ロンバルディ神父は記者会見で、会談は「友好的」かつ「建設的」だったと指摘した。大統領はモスクワ総主教キリル1世の挨拶を伝達したが、教皇は謝意を述べたという。教皇のロシア訪問については話し合わなかった、と同神父は確認している。□ ―――――――― ◎クロアチアが同性婚に「ノー」 【CJC=東京】クロアチアで12月1日、憲法に「結婚は男女間の結び付き」との定義を盛り込むことの是非を問う国民投票が行われ、賛成66%、反対34%で承認された。時事通信が報じた。クロアチアはカトリック教徒が人口の9割近くを占めている。 政府が同性カップルの権利を拡大する法案を検討したことで、将来の同性婚合法化につながると懸念したカトリック組織が国民投票の実施に必要な署名を集めた。 中道左派の与党や人権団体が差別や人権侵害につながるとして反対票を投じるよう訴えたのに対し、カトリック教会は「伝統的価値観を守るべきだ」と主張して賛成を呼び掛けた。□ ―――――――― ◎米最古の印刷本が14億円で落札 【CJC=東京】国際競売会社『サザビーズ』が11月26日、ニューヨークで開いたオークションで、『ベイ詩編書』が1420万ドル(約14億5000万円)で落札された。印刷本のオークション価格としては過去最高値。落札したのは、米投資会社『カーライル・グループ』の共同創業者で共同最高経営責任者(CEO)のデービッド・ルーベンスタイン氏。 同氏が27日、電子メールで、独立前の米国で最初に印刷された同書を、全米の図書館で展示する予定と発表した。 『ベイ詩編書』は詩編150編を収録したもので、植民地時代に宗教の自由を求めて英国から渡来し、マサチューセッツ湾沿岸に住み着いた清教徒がヘブライ語聖書から翻訳、1640年に1700部が印刷されたが、現存が確認されちるのは11部という。 ベンジャミン・フランクリンが洗礼を受け、米国建国時の指導者だったサミュエル・アダムスが会員だったボストンのオールドサウス教会が、所有していた2部のうち1部を資金捻出のため出品した。□ ―――――――― ◎「司祭は政治問題に直接関与してはならない」とソウル大司教 【CJC=東京】韓国カトリック教会のソウル大司教・廉洙政(ヨム・スジョン)氏は11月24日、司祭に役割について「一般信徒教令」などを根拠に、「政治的、社会的問題に直接関与してはならない」との見解を表明した。現地紙『東亜日報』が報じた。 『カトリック正義具現司祭団』の全羅北道地域司祭らが朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を要求し、延坪島砲撃事件関連で問題発言をして波紋を広げている。□ ―――――――― 《短信》 〇ベツレヘムでツリー点灯 クリスマスを前にイエス・キリスト生誕の地とされるベツレヘムでの『聖誕教会』前の広場に高さ15メートルほどのクリスマスツリーが立てられ、12月1日夜、ライトアップが始まった。(CJC) 〇米伝道放送『RBN』の創設者ポール・クラウチ牧師死去 心臓疾患で闘病の末、11月30日死去(CJC) ―――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(12月1日)=http://www.cwjpn.com ★「キリストを中心に」=教皇「信仰年」閉年ミサで ★「宣教地司祭育成の日」=献金額、前年より微増 ★第25回仙台教区サポート会議=地元社協、漁協の話聞く=宮城南三陸・米川 ★東京純心女子大学・聖マリアンナ医科大学提携=看護系学生の教育で協力 ★「反原発」でシンポ=宗教者、市民団体が一致協力=大阪で開催 =キリスト新聞(11月30日・休刊)=http://www.kirishin.com =クリスチャン新聞(12月1日)=http://jpnews.org ★ローザンヌ連続シンポ=国家を超え市民社会を形成=「損なわれた世界で平和を築き上げる」 ★オペラで贈る 聖書と平和=ワーグナー&ヴェルディ生誕200年を記念 ★特定秘密保護法案は現代の治安維持法に=日本基督教団大阪教区=平和と自由祈る ★福音功労賞に国吉守氏、三谷康人氏 ★ハンセン病国賠訴訟原告代表=田中民市さん死去 ―――――――― ◆世界キリスト教情報◆ご案内 ☆活動紹介・メールマガジン(整形テキスト)『週刊・世界キリスト教情報』お申し込みは http://homepage3.nifty.com/cjc-skj/で。 ☆ニュースレター(PDF)・同報メール(無整形テキスト)『週刊・世界キリスト教情報』お申し込みは cjcpress★gmail.comまで。(送信の際は★印を@に変更してください) ☆『週刊・世界キリスト教情報』既刊号は下の各サイトで ・ニュースレター=PDF http://www.evernote.com/pub/cjcpress/skjweekly/ ・メールマガジン http://blog.livedoor.jp/skjweekly/ ・同報メール http://cjcskj.exblog.jp/ ☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用ください http://www.kohara.ac/church/ …………………… ☆CJC通信(メディア向けですが、どなたでもお読みいただけます。転載使用ご希望の方は巻頭の連絡先までお申し込みください) http://blog.livedoor.jp/cjcpress/ ☆CJC通信速報(Twitterを利用しています) http://twitter.com/cjcpress/ ―――――――― ■
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| 2013-12-02 22:23
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