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┏週刊━━━━━
┃世界 ┃キリスト教 ┃情報 No.1167 ┗━━━━━━━ 2013.6.3 (連絡先:cjcpress@gmail.com) = 目 次 = ▼スコットランド教会は同性愛問題で新段階へ ▼フランス初の合法同性婚がモンペリエで挙式 ▼韓国キリスト教団体が世界の教会に日本の右傾化阻止要請 ▼慰安婦問題で国連委が日本政府に「反論」要求 ▼世界最古の巻物『トーラー』は13世紀のもの ▼《短信》 ▼《メディア展望》 ―――――――― ◎スコットランド教会は同性愛問題で新段階へ 【CJC=東京】スコットランド教会(長老派)総会が5月25日、同性愛教職を認めるという450年の伝統から離脱する歴史的な決定をしたものの、明年の規則化を待ち、さらには最終的決定が各個教会に委ねられるとあって、同派内の動きも新段階に入った。西部ヘブリディーズ諸島の2教会が離脱を検討している、との情報が流れても、大きな反響はなかったことは、賛否両側とも分裂の危険を冒すまでにはならない、との閉塞感もあるようだ。 「同性愛反対」には二つの流れがある。同性愛関係を容認すべきではない、認めるのも不承不承な「可能性派」は、自らの主張が正式なものであり続けるなら、妥協策として賛成に回るだろう。 「不可能性派」は、少数だが強力で、同性愛者受け入れについての議論を放置することにも難色を示す。このグループの聖書理解は、最近の学者からは認められないものの、自分たちの考えこそ神の変わることのない意思だと言う。それでも単なる脅しにも聞こえ、大量脱退には至らないと見られる。 都市以外の小教会は離脱の誘惑にさらされそうだが、都会の大教会に取っては、離脱は同派の中心とも言えるグラスゴーのセント・ジョージ・トロン教会との関係を断つことになるので、実現の可能性はほとんどない。 スコットランド教会の指導層は、同性愛聖職者に反対ではあるが分裂を欲していない人との牧会的な対話を図ろうとしている。 総会での「妥協」が福音派からの強力な支持を得たことも見逃せない。福音派自身の中に同性愛聖職者受け入れに向かう動きも出てきた、とも言える。 このまま行くと、スコットランド長老教会が最終的に同性愛関係の拒否に終止符を打ったとしても、離脱せず、同派の一員として留まる教会が多数となりそうだ。「出たくても出られない」というもどかしさが同派の今後にどのような影を落とすことになるのだろうか。□ ―――――――― ◎フランス初の合法同性婚がモンペリエで挙式 【CJC=東京】フランス南部モンペリエの市庁舎で5月29日、男性の同性婚が同国で合法化されてから初となる同性カップルの結婚式が行われた。 同性婚を認める法律には保守派やカトリック教会などが反発し、首都パリや他の都市では過去数カ月間、計数十万人規模が参加する反対デモが多発。26日にはパリで15万人が参加するデモもあり、当初は平穏なデモだったが、暴力的になり、参加者数百人が機動隊と衝突した。 モンペリエでは結婚式反対のデモ活動などはなかったが、不測の事態を警戒して警官約200人が市中に配置された。 29日に結婚したのはバンサン・オーバンさん(40)とブルーノ・ボアローさん(30)。モンペリエを式場に選んだのは、同市が同性愛者に好意的で、「フランスのサンフランシスコ」と同性愛者たちから呼ばれていたからと言う。2人は5年前に交際を始めた。 結婚式への招待客は約500人。ただ130人は報道関係者だった。式にはエレーヌ・マンドローモン市長や政府のナジャット・ヴァロー=ベルカセム女性権利大臣も加わった。市長が結婚の成立を宣言した。 同性婚を認めた国は、ニュージーランドとウルグアイで年内に法案が成立すれば14カ国、欧州ではフランスが9カ国目。 フランソワ・オランド大統領は10日前に同性婚を認める法案に署名し、発効させた。議会の野党勢力は裁判所に訴えて法案の成立阻止を試みたが成功しなかった。□ ―――――――― ◎韓国キリスト教団体が世界の教会に日本の右傾化阻止要請 【CJC=東京】韓国キリスト教教会協議会(NCCK)が5月28日、日本の政治家や右翼による極右的な言動に対し、世界の教会に強い連帯と対応を求める公式書簡を送った。 「世界の教会の全キリスト教徒による祈りと連帯が必要だ。日本の急速な右傾化に伴う歴史歪曲(わいきょく)、軍国主義を復活させて平和を壊そうとする野望を阻止するため、共に祈り、強く対応してほしい」と言うもの。 朝鮮日報(日本語電子版)によると、書簡は同協議会総務キム・ヨンジュ牧師名義で、世界教会協議会(WCC)、アジア・キリスト教協議会(CCA)や日本を含めた各国教会協議会など100以上のキリスト教機関・教団に発送された。□ ―――――――― ◎慰安婦問題で国連委が日本政府に「反論」要求 【CJC=東京】国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会は5月31日、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「政府や公人による事実の否定、被害者を傷つけようとする試みに反対する」ことを日本政府に求める勧告をまとめた。 同委員会による2回目の対日審査が6年ぶりに5月21、22日行われ、委員会は「大阪市長の発言」に繰り返し言及しながら、慰安婦問題についての日本政府に見解をただしていた。 日本政府は、慰安婦問題を太平洋戦争での出来事として、1987年に発効した拷問禁止条約の対象にならない、と主張したが、委員会は日本政府に対し「慰安婦問題の法的責任を認め、(法律違反者を)適切に処罰する」よう勧告した。 勧告は、元慰安婦への補償や「過ちを繰り返さないために、教科書への記述などで周知するように」とも言及している。 また、代用監獄制度の廃止検討や死刑囚の家族に対する執行の事前通知なども要求した。 NHK(電子版)によると、委員会のクラウディオ・グロスマン委員長は、記者会見で「われわれはこの問題に懸念を持っており、注目を集めるべき問題だと考えている」と述べた。これに対し外務省関係者は「いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る戦後処理については、サンフランシスコ平和条約の締結などによって、法的には決着がついているが、アジア女性基金をつくって償い金を拠出するなどの対応をとっている。勧告には、委員会に伝えた日本側の主張が全く反映されておらず、今後、内容を精査したい」としている。 拷問禁止委員会は、警察や国家権力による拷問や非人道的な扱いを禁止する拷問禁止条約に基づき、条約を守っているかどうかを調べるため、1988年に設置された。10人の委員が数年に1回のペースで各国を審査する。日本は99年に条約を締結。前回の対日審査は2007年。□ ◎慰安婦拉致は国家の意思か明確に、と橋本氏 国連の拷問禁止委員会が勧告で日本政府に明確な反論を求めたのに対し、橋下徹・日本維新の会共同代表(大阪市長)は1日、ツイッターで「慰安婦を国家の意思として拉致し、人身売買したのかどうか。この事実を河野談話であいまいにしていることが慰安婦問題が解決されない最大の原因」と指摘した。(CJC) ◎橋本氏の発言に「国際社会は納得しない」と国連事務総長 来日中の潘基文(パンギムン)国連事務総長は6月2日、日本維新の会の橋下徹共同代表の発言や釈明について「国際社会は納得しない」と、朝日新 聞との会見で述べた。日本の政治家による靖国神社参拝にも懸念を表明。日中韓の共生のためにも「過去の歴史への正しい理解」を求めた。(CJC) ―――――――― ◎世界最古の巻物『トーラー』は13世紀のもの 【CJC=東京】創世記から申命記まで、いわゆる『モーセ五書』を収めた『トーラー』は、現在いくつかの写本が残されているが、巻物(スクロール)としては伊ボローニャのヘブライ大学図書館が所蔵しているものが最古と信じられる、と同大学のマウロ・ペラニ教授(63)が発表した。幅64センチ、長さ36メートルの巻物が、専門家の研究に加え「放射性炭素年代測定」で1155年から1225年の間のものと判定出来たという。 問題の写本、1889年の図書館員の判定は「17世紀?」とされていた。新しく蔵書カタログを作成するにあたり、同教授らが研究したもの。 冊子体(コーデックス)のものではレニングラード写本が1008年で最古とされている。断片として存在が確認されている最古のものは『死海写本』。□ ―――――――― 《短信》 ◎ネタニエフ首相が全国民に防毒マスクなど全国民に配布指示 イスラエルのネタニエフ首相は、全国民に防毒マスクなど個人防衛セットを配布するよう、関係当局に指示した。シリア内戦で化学兵器が使用されているとの情報が流れ、イスラエル北部にも影響が及んできたための措置。(CJC) ◎教皇がペレス・イスラエル首相に一神教指導者会議呼びかけ 教皇フランシスコは4月30日に、イスラエルのシモン・ペレス首相と会談した際、平和のために世界の3大一神教指導者の会合の可能性について言 及した。イスラエル政府が明らかにした。(CJC) ◎バチカンとイスラエルが聖地の課税問題などで近く合意 伊紙スタンパは、聖地のカトリック施設への課税免除、「最後の晩餐」の地に建てられた「アパルーム」使用などで合意に達した、と報じている。(CJC) ◎隔離はイヤと教皇がアパート生活続ける 「普通の生活が良いし、隔離はイヤ」と教皇がアパート生活を続ける理由を友人のエンリケ・ロドリゲス神父に書き送っていた。アルゼンチン紙が5 月28日報じた。(CJC) ◎バチカン銀行総裁がイメージチェンジに力 バチカン(ローマ教皇庁)の資金管理と資産運用に当たる『宗教事業協会』(バチカン銀行)のエルンスト・フォン・フレイベルク総裁は5月31 日、イメージチェンジに力を入れ、人々の関心を教皇のメッセージに集中させることだ、と語った。(CJC) ◎マフィアに殺されたプグリシ神父が福者に 殉教者として、5月25日、シシリアのパレルモで列福ミサ。司教45人、司祭800人、信徒8万人が出席した。(CJC) ◎WCC総幹事がアラブ世界にキリスト者との連帯訴え ベイルートで開催した国際会議で、宗教を超えた地球規模の家族として、結合のシンボルである十字架を担うよう召されている、と語った。(CJC) ◎仏でフリーメーソン辞めない司祭を聖務停止 パスカル・ベザン神父がイブ・ボアビノー司教から命じられた。バチカン(ローマ教皇庁)の意向を受けてのもの。(CJC) ◎英国国教会引退司祭に児童性的虐待で禁固10年 チチェスター教区のゴードン・リドー引退司祭に5月27日、禁固10年の判決が出された。児童に対する性的虐待36件に対するもの。チャーチ・タイムズ紙報道。(CJC) ◎カンタベリー大主教がメソジスト年会で演説へ 7月10日、ウエストミンスターで開催される年会で演説する。同大主教としては初めて。(CJC) ◎米メガチャーチがボーイスカウト連盟と絶縁 米ケンタッキー州ルイビルのサウスイースタン・クリスチャン・チャーチ(会員3万人)は、米ボーイスカウト連盟と絶縁することにした。 (CJC) ◎米ボーイスカウト連盟に無神論者も差別に抗議 米ボーイスカウト連盟が5月23日、同性愛隊員排除措置の撤廃を決定したことに対し、無神論者団体が相次ぎ、差別に抗議する声明を発表した。 (CJC) ◎ボーイスカウトの同性愛容認をカトリック教会は理解 米カトリック司教協議会のスカウト担当ロバート・ガリエルモン司教が、性的指向で入隊拒否されてはならない、とボーイスカウト連盟の決定に応答した。(CJC) ◎ラテンアメリカ教会協議会新議長にフェリペ・アドルフ氏 ラテンアメリカ教会協議会(CLAI)はキューバのハバナで開催した第6回総会で5月24日、新議長にフェリペ・アドルフ牧師を選出した。(CJC) ◎アンドリュー・グリーリー神父死去 100冊以上の著作で話題を呼んだアンドリュー・グリーリー神父(シカゴ大司教区司祭)が5月30日、長い闘病生活の後に死去した。85歳。(CJC) ―――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(6月2日)=http://www.cwjpn.com ★厳格す語る教皇フランシスコ=「利己主義は悲しみと苦しみに 宣教は喜びの源に」 ★名古屋教区インターナショナルミサ=国籍超え250人集う=「人はパンだけで生きるものではない」 ★同宗連=狭山事件再審求め宗教者の集い開く=石川一雄さん逮捕から50年 ★静岡教会=有志で憲法学ぶ=「改正の動き」で勉強会 ★ヘルマンハープで交流=ドイツの“音楽仲間”来日=東京の特別支援学校 =キリスト新聞(6月1日)=http://www.kirishin.com ★日本ローザンヌ委員会が東京でシンポ=震災の教訓踏まえ、日本宣教考える=“地域に関わり相手を知る” ★庭野平和賞にG・スタルセット氏=「寛容の時代の夜明け迎えよう」 ★さがみ九条の会=自民党草案と現憲法を比較=セミナーで西川重則氏が検証 ★「本のひろば」特別号「私たちの死と葬儀」=キリスト教文書センター刊行 ★手束正昭氏牧会40周年=出版記念会・祝賀会を開催 =クリスチャン新聞(6月2日)=http://jpnews.org ★大震災の備え 今から=新座、清瀬、東久留米の教会が防災ネット ★芸術作品で福音を伝える=アートギャラリー東京に=OCCビル5階に=tギャラリーオープン ★シンプルに若者に届く=聖書を分かりやすく伝えるウェブサイトThe 4Points Japan=ストーリーで福音を表現 ★故郷に祈りさらに積む=クリスチャン県人会=各地方が始動 ★災害時、介護事業者の協力を=川口キングス・ガーデンが「地域連帯研修」 ―――――――― ◆世界キリスト教情報◆ご案内 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by cjc-skj
| 2013-06-03 18:08
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