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┏週刊━━━━━
┃世界 ┃キリスト教 ┃情報 No.1140 ┗━━━━━━━ 2012.11.26 (連絡先:cjcpress@gmail.com) = 目 次 = ▼英国国教会総会は女性主教認めず ▼教皇が『イエスの生涯』3部作を完結 ▼教皇が新枢機卿6人を叙任 ▼イスラエルとハマスの戦闘止まず ▼丁光訓氏(ビショップ・ティン)が南京で死去 ▽丁光訓氏死去にWCC総幹事ら弔意 ▼製作中止されていたキング牧師の映画化実現へ ▼類推されやすいパスワードに「イエス」も ▼《メディア展望》 ―――――――― ◎英国国教会総会は女性主教認めず 【CJC=東京】英国国教会は11月20日開いた総会で、女性が主教に就任することを可能とする議案について投票を行い、否決した。 英国国教会は1992年に女性司祭を認めたが、教区主教については「男女平等に反する」などとして容認すべきか10年以上論争が続いていたが、今回の否決で少なくとも次の総会までは現状が続くことになる。男女差別撤廃が進む英国で「最後の砦」が陥落を免れた形。 同派総会は主教、聖職者、信徒の3部会で構成され、主教、聖職者の両部会では3分の2以上の賛成で女性主教を認めていたものの、信徒部会では132票対74票で、必要な3分の2には5票足りなかった。 今回の否決が、カンタベリー大主教引退間近のローワン・ウイリアムズ氏と後任に決定したジャスティン・ウエルビー氏に打撃となったことは必至だ。2人とも女性主教実現を推進してきたと見られている。 ただウエルビー次期大主教にとっては、同性婚、礼典参列者の減少、収入減、聖職者の性的虐待訴訟など難題が山積しており、女性主教問題はひとまず置いて、ということになりそう。 現在、英国国教会には女性司祭が約3000人おり、全司祭の4割を占めている。教会員の7割以上が女性でもあり、女性主教実現の道が閉ざされることはなさそうだ。□ ―――――――― ◎教皇が『イエスの生涯』3部作を完結 【CJC=東京】イエス・キリストの生涯を記した教皇ベネディクト16世の著作『ナザレのイエス=イエスの幼年時代』(仮題)が11月21日、バチカン(ローマ教皇庁)出版局から発表された。 イタリア語版はリッツォーリ社が同日に発売した。ブラジル語、クロアチア語、フランス語、英語、ポルトガル語、スペイン語、ポーランド語、ドイツ語の8言語でも同時に出版される。 全176ページ、本編4章と、終章、序文から構成されている。バチカン放送(日本語電子版)によると、第1章では、マタイ・ルカ福音書からイエスを系譜学的に考察。第2章では洗礼者ヨハネとイエスの誕生の告知を取り上げ、特に大天使ガブリエルとおとめマリアとの対話を深く観想している。第3章の中心として、ベトレヘムでの出来事と、イエスの生まれた時代の歴史的背景が取り上げられる。第4章では、東方三博士の訪問の意味を様々な角度から考えている。終章では、少年イエスのエルサレムの神殿での出来事がエピローグとして記されている。 初版は9カ国語合わせて約100万部が全世界50カ国で発売される。 バチカンのフェデリコ・ロンバルディ広報事務所長は記者会見で、教皇は「本作に大きな情熱を注ぎ、自由時間の全てをその完成に捧げてきた」と語った。 教皇の本名ヨーゼフ・ラッツィンガー名で出版される同書は、イエス・キリストの幼少期について記したもので、『ナザレのイエス』3部作の完結編。教皇が、バチカン教理省長官だった2003年から書きためていた。 本名での出版ということは、カトリック教会の教義に関する絶対的な著作ではなく学術書であることを意味している。 教皇は「キリストの誕生を基本とした西暦の基準点を算出したのは、ローマの神学者ディオニュシウス・エクシグウスだが、彼は計算の過程で誤りを犯した。キリストが実際に誕生したのは、現在受け入れられている年よりも数年早かった」と述べ、生誕の場面について「キリストが生まれた家畜小屋には、誕生の場面を描いた絵によく出てくるようなロバや牛などの動物はいなかった」とも記している、と英紙デイリー・テレグラフは報じた。 「ヨルダン川での洗礼から変容まで」を扱った第1巻は2007年(日本語版は里野泰昭訳、春秋社発行)、第2巻「エルサレム入城から復活まで」は11年に出版されている。□ ―――――――― ◎教皇が新枢機卿6人を叙任 【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は11月24日、バチカンで公開枢機卿会議を開催、その中で新枢機卿6人の叙任式を行った。当日は教会の典礼暦で「王であるキリスト」の祭日の前日。 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は儀式の説教で、「キリストはその救いの使命においてすべての人類を抱擁している」と述べ、それゆえに「普遍」であることは教会の本質と強調した。 教皇は、枢機卿たちが様々な大陸や文化を代表しているように、「教会はすべての人の教会である」と同時に、調和したコーラスのように唯一の歌声を神に向けて上げる存在でなければならないと説き、「普遍」と「一致」のうちにキリストとその福音のために忠実に奉仕しようと、枢機卿らをはじめ、全教会に呼びかけた。 6人の新枢機卿は、全員が教皇選挙の投票権を持つ80歳未満。出身地を大陸別に見ると、アジアから3名、アメリカから2名、アフリカから各1名。 これで現在の全枢機卿は211人、そのうち教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は120人、80歳以上の枢機卿は91人となった。□ ―――――――― ◎イスラエルとハマスの戦闘止まず 【CJC=東京】イスラエルとイスラム原理主義組織『ハマス』は11月21日、パレスチナ自治区のガザでの停戦に基本合意、同日夜に戦闘を停止した。1週間以上に及んだ戦闘を停止するため、米国も関与した激しい外交努力が展開された結果ではあるが、8日間に及んだ今回の衝突で、イスラエルでは少なくとも5人が死亡、パレスチナ側は160人以上が死亡する事態となった。 さらに23日には、ガザ南部のイスラエルとの境界付近でイスラエル軍兵士がガザのパレスチナ人農民に発砲、1人が死亡、10人が負傷した。停戦発効後、死者が出たのは初めてで、戦闘が全面停止したとは言えない状況。 ガザを取り巻く政治情勢は、中東の民主化要求運動「アラブの春」で激変したと言える。親欧米に立っていた各国の独裁政権が崩壊、イスラエルは周辺アラブ諸国との「仲介役」を失い、孤立を一層深めている。 来年1月に総選挙を控え、イスラエル・メディアの世論調査によると、91%は今回のガザ攻撃を支持。76%が作戦継続を求めており、ベンヤミン・ネタニヤフ政権の舵取りを難しくしている。□ ―――――――― ◎丁光訓氏(ビショップ・ティン)が南京で死去 【CJC=東京】中国プロテスタント教会指導者の1人、丁光訓氏が11月22日、南京で死去した。97歳。中国基督教協会、中国基督教三自愛国運動委員会の会長を長らく勤め、中国プロテスタント教会の代表者として、教派が解消した後も、国内外で「ティン主教」として知られていた。 1915年9月20日、上海生まれ。37年、上海の聖ヨハネ大学卒、YMCA(基督教青年会)で奉仕した。42年、聖ヨハネ大学で神学学士取得、聖公会で青年活動を担当、郭秀梅さんと結婚。 46年からカナダでキリスト教学生運動に関係、その後米コロンビア大学とユニオン神学校から文学修士号を取得、48年から51年はジュネーブで世界キリスト教学生同盟で活動した。 51年末、中国に帰国、基督教三自愛国運動に参加、53年に南京の金陵協和神学院(南京ユニオン神学校)院長、54年に中国基督教三自愛国運動委員会常務委員。55年に中華聖公会浙江教区主教に聖別されたが、66年に文化大革命が始まると、南京近郊へ下放され、神学院院長職だけに留まった。80年には『基督教両会』(中国基督教協会と三自愛国運動委員会)の会長に就任した。 85年、中国プロテスタント教会の慈善・社会活動機関『愛徳基金会』会長に就任、97年、『基督教両会』名誉会長。全国政治協商会議副主席、全国人民代表大会代表委員を務めた。 三自愛国運動に吸収された形で、聖公会はすでに中国には存在していないが、主教職は保留されているという。□ ◎丁光訓氏死去にWCC総幹事ら弔意 【CJC=東京】中国キリスト教界の指導者、丁光訓氏(丁主教)が11月22日、97歳で死去した。 世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事は、丁主教が中国の教会と社会、キリスト者と非キリスト者との間の和解に努めてきたことを称賛、1980年代、90年代に中国の教会を外側の世界に公開することに貢献した、と指摘した。「丁主教は、中国の教会が、共産主義政権の下で存続、成長し続けるために重要な役割を果たした」と言う。 米福音派系フラー神学校のリチャード・J・マウ学長は、「丁主教の中国教会への貢献は最大級のもので、彼の遺産は著作などの業績によって、今後長く継承されよう」と評価している。□ ―――――――― ◎製作中止されていたキング牧師の映画化実現へ 【CJC=東京】マーティン・ルーサー・キング牧師を題材にした映画『メンフィス』は、米ユニバーサル・ピクチャーズのもとで企画されていたが、同牧師の遺産管理団体が、キング牧師の不倫が含まれた内容を批判、その影響か、2011年4月から中止していた。それが『ワイルド・バンチ・インターナショナル・セールス』が製作資金を負担、製作が実現することになった、と業界メディア『インディワイア』が報じている。 映画『ユナイテッド93』や『グリーン・ゾーン』を手掛けたポール・グリーングラス監督で、キング牧師が暗殺された最後の日に焦点を当てた作品になるようだ。□ ―――――――― ◎類推されやすいパスワードに「イエス」も 【CJC=東京】インターネットで使うパスワードは他人に覚られず、しかも憶えやすく、という難題。そう言いながら生年月日など容易なものを設定しがちなのはアメリカでも同様で、米専門企業『スプラッシュデータ』が毎年「最悪パスワード」を調査、発表している。 それによると、1位はなんと「パスワード」(英文ではpassward)。以下「123456」「12345678」とトップ3は2011年と変わらない。 25位までが発表されたが、今年の「話題」は21位に「イエス」(英文ではjesus)が初登場したこと。やはりアメリカはキリスト教国だったのかと一瞬思わされる。もっとも人名では、18位で男女に使われる「アシュリー」、22位で「マイケル」が健闘してはいる。□ ―――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(11月25日)=http://www.cwjpn.com ★第18回日韓司教交流会 韓国で=両国の原発問題学ぶ ★教皇庁正義と平和評議会議長タークソン枢機卿=日本の正平協と交流 ★報復の応酬終結へ決断を=エルサレムの司教=イスラエルとハマスに ★「みんなでつくる みんなの教会 in Japan」=私たちは“多国籍”=連続セミナーで考える=東京教区 ★HIV/AIDSデスク=「世界エイズデー」を前に=ポスターと小冊子作成=当事者自身と、寄り添う人のために =キリスト新聞(11月24日)=http://www.kirishin.com ★日本FEBC60周年=“気持ちつながれば伝わる”=晴佐久昌英神父が記念講演 ★日本福音功労賞=小林和夫、武田恒義、金山良雄の3氏=日本福音振興会が顕彰 ★恵泉女学園大学=歴史文化学科設立記念シンポ=東アジアキリスト教交流の未来への展望 ★日本旧約学会=関根清三会長講演=“旧約学と哲学の相補的関係を” ★第105代カンタベリー大主教=ダラム教区ジャスティン・ウエルビー氏 =クリスチャン新聞(11月25日)=http://jpnews.org ★「地を治めよ」慎み取り戻せ=福音主義神学会=原発問題と向き合う ★「信仰の発露が宣教の証しに」=『教会福音讃美歌』奉献礼拝 ★父・朱基徹が遺した信仰=“殉教者の息子”の証言集刊行 ★福音功労賞に小林和夫、武田恒義、金山良雄各氏 ★「問題を抱えた人たちによって支えられてきた」=那須高原教会&ハウスオブレスト30周年 ―――――――― ◆世界キリスト教情報◆ご案内 ☆活動紹介・メールマガジン(整形テキスト)『週刊・世界キリスト教情報』お申し込みは http://homepage3.nifty.com/cjc-skj/で。 ☆ニュースレター(PDF)・同報メール(無整形テキスト)『週刊・世界キリスト教情報』お申し込みは cjcpress@gmail.comまで。 ☆『週刊・世界キリスト教情報』既刊号は下の各サイトで ・ニュースレター=PDF http://www.evernote.com/pub/cjcpress/skjweekly/ ・メールマガジン http://blog.livedoor.jp/skjweekly/ ・同報メール http://cjcskj.exblog.jp/ ☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用ください http://www.kohara.ac/church/ …………………… ☆CJC通信(メディア向けですが、どなたでもお読みいただけます。転載使用ご希望の方は巻頭の連絡先までお申し込みください) http://blog.livedoor.jp/cjcpress/ ☆CJC通信速報(Twitterを利用しています) http://twitter.com/cjcpress/ ―――――――― ■
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| 2012-11-26 20:22
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