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┏週刊━━━━━
┃世界 ┃キリスト教 ┃情報 No.1082 ┗━━━━━━━ 2011.10.17 (連絡先:cjcpress@gmail.com) ≪ご案内≫パソコンからケータイ、スマートフォン、タブレットと、様々な道具で『世界キリスト教情報』を読まれる方が増えておられるのに対応して、3種類の「版」を作成しています。A4判PDFをそのまま読める方には、FAX版がお勧めです。メールで1行36字を読め、添付ファイルは面倒、という方にはメールマガジンが便利です。ケータイのように1行が12字程度で、画面上で長い文章もきれいに読める方は、同報メールが最適です。文章的な改行以外はされていないので、転送・転載される場合にも便利です。形式変更をご希望される場合は、巻末の『◆世界キリスト教情報◆ご案内』をご覧願います。(主宰者) = 目 次 = ▼エジプトのコプト教徒殺害を国連当局者非難 ▼カンタベリー大主教、ムガベ大統領に脅迫停止要求 ▼米長老教会の公然同性愛牧師容認が世界規模でミゾ拡大 ▼カトリック通信『ZENIT』編集陣一斉退職 ▼マニラ新大司教にタグレ司教 ▼《短信》 ▼《メディア展望》 ―――――――― ◎エジプトのコプト教徒殺害を国連当局者非難 【CJC=東京】国連当局者は、カイロで多数の死傷者を出した宗教間抗争を非難する声明を発表した。ENIニュースによると、宗教の自由に関する国連特別報道担当ハイナー・ビールフェルト氏は10月7日、宗教的な寛容と意思疎通の可能な環境整備を各国政府が創出する必要がある、と語った。 潘基文事務総長も11日、声明で、エジプト政府が「あらゆる信仰のエジプト市民に人権と自由を保障すべきだ」と語った。国連人権高等弁務官のルパート・コルビル報道担当も、エジプト当局が集会と表現の自由を実践している「少数派を含め全員の安全を保障」すべきだ、と語った。 ビールフェルト特別報道担当は、国家指導者が宗教間の意思疎通と「寛容の雰囲気」を促進する責任を認めるべきだとして、国家は中立的な立場を保ち、宗教の自由を保障すべきだ、と言う。この7月の総会への中間報告で、同氏は、エジプトで行われている少数派コプト・キリスト教徒に対する攻撃や脅迫について言及、またモルドバで福音バプテスト教会員に対する脅迫、攻撃、バーレーンでのシーア派モスクへの襲撃を非難した。 同氏は、宗教の自由と表現の自由は相反するものではなく、並立する二つの権利である、と指摘している。□ ―――――――― ◎カンタベリー大主教、ムガベ大統領に脅迫停止要求 【CJC=東京】英国国教会の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏は訪問先のジンバブエで10月10日、ロバート・ムガベ大統領と2時間近くにわたって会談、同派から破門されたノルバート・クノンガ主教が教会財産を収奪、聖職者や信徒を脅迫していることを阻止するよう介入を要求した。 ENIニュースによると、ウイリアムズ氏はクノンガ氏が引き起こした問題に関する書類を大統領に手渡した。クノンガ氏は2007年に離脱派組織を結成、教会財産を奪取、英国国教会信徒を教会堂から追い払っている。 大統領に手渡された書類は、ジンバブエ主教団によって作成されたもので、10月11日公開された。それによると、この2月、英国国教会によって正式に任命されたチャド・ダンディヤ主教により導かれているハラレ教会からの脱会を拒否した女性が殺害された。また聖職者の中に射殺すると脅迫された人もいるという。「暴力と威嚇がこの紛争の特徴だ。司祭や助祭が毎週のように令状なして逮捕されている。主教たちは電話で射殺すると脅迫されている」と書類には記されている。 ウイリアムズ氏は、アフリカ3国歴訪の中で、ジンバブエを2日間の日程で訪問したもの。東部の町を訪問した際に、一行が大聖堂に入ろうとしたが、クノンガ派の集団によって阻止された。大聖堂は封鎖されており、信徒は古びた役場で礼拝している。 9日、ウイリアムズ氏はハラレのスポーツ・スタジアムで礼拝を守った。礼拝には、南アやボツワナの主教、引退主教など1万5000人が出席した。ウイリアムズ氏は11日、ザンビアを訪問、13日帰国した。□ ―――――――― ◎米長老教会の公然同性愛牧師容認が世界規模でミゾ拡大 【CJC=東京】米長老教会(PCUSA)が施行開始した新方針のもと初めて公然同性愛者を牧師に任職した。スコット・アンダーソン氏(56)がウイスコンシン州マジソンのカヴェナント長老教会で10月8日任職された。 同氏は「この日のために40年もの間、活動し祈ってくれた多数の長老派」に感謝の意を表し、「そしてわたしは、今日行われたことに同意しないが、わたしたちはイエス・キリストにおいて一つであることを知っている人たちに感謝する」と語った。 アンダーソン氏は、1983年から90年までカリフォルニア州サクラメントで牧師を務めていたが、自身の性的指向を公表して辞任したのは、ある夫婦に秘密を暴露する、と脅されたため。 一方、『プレスビテリアン行動委員会』のゲーリー・グリーン議長は、アンダーソン氏の任職の前日、「今回の任職は、忠実なキリスト者は誠実な結婚か純潔な独身のいずれかを選択する、と規定したPCUSA信仰告白に違反している」と語った。 PCUSAの、任職誓約から性行為を除外するという決定は米合同教会、聖公会、ルーテル教会(LCA)に続くものだが、「聖典の権威をめぐり教会内で続いている深刻な争い」を示しており、「この道を行くことは、さらなる分裂、会員減、そして米国や世界のキリスト教の主流からの逸脱につながる」と、グリーン氏は言う。 同派は今年5月10日まで、同性愛者が聖職となることを禁止していたが、聖職の必要条件としてあげていた「誠実な結婚か貞潔な独身」を撤廃するという総会決定を過半数の中会が批准したことで、施行が開始された。 メキシコの全国長老教会(信徒200万人)は、PCUSAとの関係を断絶した。ガーナとブラジルの長老教会も今回の動きを強く非難している。性行為に関する基準緩和は、教勢低下の中で成長している韓国教会やスペイン系教会との関係悪化につながる、と見られる。□ ―――――――― ◎カトリック通信『ZENIT』編集陣一斉退職 【CJC=東京】カトリック宣教団体『キリスト軍団』が運営する専門通信『ZENIT』の各国語版編集者6人が10月7日辞任した。通信の方向を軍団の意向に沿わせようとしたことに反発、「協働に成果を上げてきた後に、組織への従属強化を図ろうとする軍団の意向には同意出来ない」とニュース受信者に伝えた。「ZENIT通信の本質的な狙いは、特定の集団の通信にすることでは決してなく、むしろ普遍教会のためのものだった。この精神でわたしたちは活動してきたのであり、それを裏切るわけには行かない」と言う。 辞任したのは、仏語版、イタリア語版、スペイン語版、英語版、ポルトガル語版、アラビア語版の編集者。独語版編集者は空席だった。 同通信のアルベルト・ラミレズ代表は11日、イタリアのジャーナリスト、アントニオ・ガスパリ氏を新たに編集コーディネーターに任命した。 ガスパリ氏は1955年生まれ。バチカン記者として、『ラッヴェニレ』『テンピ』などの各紙に寄稿するなどのベテラン。『ZENIT』通信にも寄稿している。環境問題にも取り組んでいる。今回の任命を誇りとして感動している、として「日刊サービスは、教会生活の中での真、善、美を発見し書くことに努める」と語った。 同通信は1997年、ジェスス・コリナ氏が創刊、教会からの認知を得るため、『キリスト軍団』に霊的アドバイザーとなるよう求めた。それから14年間、運営は軍団からは独立して進められていた。同通信は7言語で発行され、日刊サービスの読者は約45万人。 今年に入って、コリナ氏に軍団側は通信の方針変更の意図を通告、同氏の辞任を求めた。同氏は9月27日に辞任している。コリナ氏は、軍団との間で編集・財務両面で相互信頼と透明性がなくなり、通信の将来の方向について基本的に意見が対立した、と述べていた。□ ―――――――― ◎マニラ新大司教にタグレ司教 【CJC=東京】教皇べネディクト16世は10月13日、マニラ大司教のガウデンシオ・ロサレス枢機卿(79)の後任にイムスのルイス・アントニオ・タグレ司教(54)を任命した。フィリピン司教協議会が発表した。マニラ教区は信徒数約270万人。 ロサレス枢機卿は、この8月に79歳を迎えたのを機会に、年内引退の意向を発表していた。2007年に75歳に達した際にも辞表を提出していたが、教皇は任期を延長した。 タグレ氏は1957年6月21日、マニラ生まれ。祖先は中国系。イエズス会系のアテネオ・デ・マニラ大学サンホセ大神学校で学び、1982年司祭に叙階された。92年、アメリカ・カトリック大学で神学博士号を取得、アジア司教特別会議の際には専門家として参画している。2001年司教叙階。司教協議会信仰協議委員会議長、アジア司教協議会連合の神学関係事務所長を務めている。バチカン(ローマ教皇庁)の国際神学委員会のメンバーでもある。□ ―――――――― ◆短信◆CJC通信速報(Twitter:cjcpress)から。 ≪インド亜大陸≫ ▽伝道団体『ゴスペル・フォア・エイシア』は同団体が支援しているアシュ・スタル宣教師(25)が10月6日夜、密林地帯を歩行中に野生の象に襲われ、首の骨を折るなどで重態。ただ同団体は場所を明らかにしていないが、インドと推定される。 ▽パキスタンのパンジャブ州知事殺害事件の犯人に死刑を宣告した判事の所在が不明になっている。イスラム教過激派からの脅迫を受けてのこと、とキリスト教教会協議会筋が語った。 ≪欧州≫ ▽英国国教会ロンドン教区シノッドは、女性を主教として受け入れるとの提案を否決した。部会別では主教部会と信徒部会は賛成したが、聖職部会が反対に回った。 ▽英国では、反資本主義の活動家ら数百人が、ロンドンのセントポール大聖堂前で座り込み集会を行った。同大聖堂は、ロンドン証券取引所に隣接している。英国国教会教区管轄司祭ジャイルズ・フレイザー氏が集会開催を容認した形 ▽ポーランド国営テレビが、カトリック教会の要求に応じて、ポピュラー音楽タレント・ショーに「デスメタル」のロックスター、アダム・ダルスキを再登場させないことにした。 ≪アフリカ≫ ▽キリスト教迫害に抗議するコプト教徒のデモにイスラム教過激派による暴行で出た死者の葬儀が10月10日、カイロで行われた。エジプト軍事政権は敏速な調査を指示した。 ▽エジプトのコプト教会は10月11日、教徒に対する暴力に抗議して3日間の断食に入った。 ▽ジンバブエの英国国教会では、離脱派との抗争が続いているが、離脱派によって教会運営の病院から締め出されていたスタッフたちの復職を高裁が命じた。 ≪北米≫ ▽米国防総省の報告によると、アフガニスタンには公開されたキリスト教会もキリスト教学校も存在しない。米軍が活動していた当時からアフガニスタンでは宗教の自由が急速に失われてきたという。昨年、最後のキリスト教会が破壊されたことが確認されている。 ▽米カトリック出版社『イグナチウス・プレス』は、『カトリック・ワールド・レポート』『ホミレティック・アンド・パストラル・レビュー』の2誌を来年1月から電子版だけで発行する、と発表した。 ≪中南米≫ ▽キューバのマタンザスにある福音神学校が65周年を迎え、10月3~4日、「教会の使命と今日のキューバに於ける神学教育」を主題に記念式典を行った。 ―――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(10月16日)=http://www.cwjpn.com ★“復活”に賭ける=家族、職員の犠牲越えて=「利用者さんのため」デイケア再開=宮城県山元町=ささえ愛山元 ★宗教者九条の和―シンポジウムと平和巡礼=原発事故と憲法テーマに=埼玉 ★シノドス「提題解説」回答書を検討=「朗読福音書」記載個所など承認=2011年度特別臨時司教総会 ★全国ブラジル人司牧・協力者の会=リーダー育成に向けて=資質と養成上の必要事項話し合う ★フランス司教団=来年の大統領選控え=多文化社会へ意識促す =キリスト新聞(10月15日)=http://www.kirishin.com ★宗教者は何を語るか=ホームレス支援・奥田知志×上田紀行・『がんばれ仏教』 ★宗教者九条の和=土山秀夫氏が提言=“事実を積み上げてこそ”=埼玉 ★メサイヤを歌う会グレイス合唱団=“信仰の次元、響きが違う” ★椎名麟三生誕100年=明治学院大学が公開研究会 ★石油ストーブを1500台配布=国際飢餓対策機構 =クリスチャン新聞(10月16日)=http://jpnews.org ★ストーブ無償提供、「仮設のトリセツ」配布=冬に向け仮設での生活支援 ★仮設が憩いの場に=いわてネットが移動カフェ ★日・台・韓で国際平和アシュラム=東日本大震災犠牲者を追悼=復興願い賛美と祈り ★和歌山台風被災地へ恩返し=福島・いわきの教会から青年ボランティア ★元兄弟団聖書学院院長、初見司郎氏104歳で凱旋 ―――――――― ◆世界キリスト教情報◆ご案内 ☆活動紹介・メールマガジン(整形テキスト)お申し込みは http://homepage3.nifty.com/cjc-skj/で。 ☆ニュースレター(PDF)・同報メール(無整形テキスト)お申し込みは cjcpress@gmail.comまで。 ☆既刊号は下の各サイトで ・ニュースレター=PDF http://www.evernote.com/pub/cjcpress/skjweekly/ ・メールマガジン http://blog.livedoor.jp/skjweekly/ ・同報メール http://cjcskj.exblog.jp/ ☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用ください http://www.kohara.ac/church/ …………………… ☆CJC通信(メディア向けですが、どなたでもお読みいただけます。転載使用ご希望の方は巻頭の連絡先までお申し込みください) http://blog.livedoor.jp/cjcpress/ ☆CJC通信速報(Twitterを利用しています) http://twitter.com/cjcpress/ ―――――――― ■
by cjc-skj
| 2011-10-17 17:19
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