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┏週刊━━━━━
┃世界 ┃キリスト教 ┃情報 No.1061 ┗━━━━━━━ 2011.5.23 = 目 次 = ▼世界の改革派が戦略計画採択 ▼中国「地下教会」が全人代委員長に「宗教の自由」請願 ▼関係改善にはバチカンの行動必要、と中国 ▼子どもの保護で国際アムネスティがバチカン批判 ▼『カリタス急行』が注目の中、煙あげて出発 ▼イエスが洗礼を受けた現場に巡礼急増 ▼あのホーキング博士が天国を否定 ▼5月21日に「推挙」はなかった!? ▼《短信》 ▼《メディア展望》 ―――――――― ◎世界の改革派が戦略計画採択 【ジュネーブ=CJC】改革派教会世界共同体(WCRC)は執行委員会を5月5日から12日までジュネーブで開催、『2011~17年戦略計画』を採択した。 同計画は、ユース・リーダーシップ(青少年指導)、地域レベルで教会団体との連係強化に焦点を絞り、改革派神学と正義への関心とのつながりを目に見えるものにしようと呼び掛けるもの。 「変革の精神は、改革派教会の地球規模の『家族』にわたっている。今は傷つき破壊された世界の求めに応えようとの努力に焦点をあてる時だ。全部出来るわけではない。やるべきことを選び、それをきちんとやれるように準備する時だ」とジェリー・ピレー議長は言う。 今回の戦略計画は、2010年6月のWCRC創設以来、作成を進めて来たもの。カナダ合同教会のオメガ・ブラ氏が計画チームをリード、マレーシア、ウルグアイ、北アイルランド、米、南ア、カナダの代表が参加している。 戦略計画はコミュニケーション(意思疎通)の重要性を指摘しているが、それは改革派教会の伝統に立つ加盟教会であること、ジェンダー(性)、経済・環境問題について地域の教会団体と協働することなどを指している。 計画採択に際して、セトリ・ニョミ総幹事は、「加盟教会や重要関係団体が取り組むべき優先課題をスタッフが選択するのに役立つ」と語った。 ニョミ氏の指摘は、ジュネーブの本部スタッフが手薄なことも関係する。5月末で正義と連帯担当幹事を退任するパトリシア・シーラッタン=ビスノース氏の後任も今年後半に決まるまでは空席のままだ。 財務報告でゴットフリード・ローハー会計は、神学教育、ジェンダージャスチス(性における正義)、ミッション(宣教)などの分野への募金は手ごたえがあるが、組織の基本会計は、スイス・フラン建てで行うこともあって収入が目減りし苦境にある、と指摘した。 加盟教会で負担金を3年以上未納の所が60ある。執行委員会は、負担金未納について督促に応答しない教会を加盟停止にするという規定の適用を決定した。 執行委員会は2011年度予算を承認したが、それは全加盟教会が負担金を納入することを前提としたもの。 WCRCは、昨年6月に世界改革教会連盟(WARC)と改革派エキュメニカル教会(REC)が合同結成した。加盟230教会。信徒数は8000万人。□ ―――――――― ◎中国「地下教会」が全人代委員長に「宗教の自由」請願 【CJC=東京】中国政府が認可していない「家の教会」は「地下教会」と呼ばれるが、全国の牧師たちがこのほど全国人民代表大会(全人代)の呉邦国(ウー・パンクオ)委員長に宛て、北京の守望教会に対し行われている抑圧の調査、解決や宗教の自由への保障を求め、連盟で請願書を送った。 米国に本拠を置く中国の人権監視団体『対華援助協会』(CAA)は、請願を「悪化する現在の中国地下教会の状況を変化させ、中国人民共和国憲法で保証された宗教の自由を確固たるものとするための新たな章に突入する歴史的な機会の到来」と見ている。この様な動きは、中国共産党政権60年の歴史で初めての動きという。□ ―――――――― ◎関係改善にはバチカンの行動必要、と中国 【CJC=東京】中国が、バチカン(ローマ教皇庁)との関係改善にはバチカンが「明確な行動」を起こす必要がある、と要求している。 5月18日、サンピエトロ広場で行われた一般接見で、教皇ベネディクト16世は全世界のカトリック者に、共産党当局からの「圧力」にも関わらず中国の司教がローマとの関係断絶を拒否するよう祈ることを呼び掛けた。 これに対し、中国外務省の姜瑜報道官が「わたしたちは、中国が宗教信仰の自由を実践しており、中国のカトリック教会が継続的に発展していることをバチカンがはっきりと認識することを期待している」と記者会見で語った。同報道官は、バチカンが「明確な行動を通じて両国関係の発展のための状況を作り出してほしい」と期待していると付け加えた。□ ―――――――― ◎子どもの保護で国際アムネスティがバチカン批判 【CJC=東京】『国際アムネスティ』が2011年人権報告書で聖座(バチカン)を「子どもの保護に関する国際的な義務を十分に果たしていない」と批判していることが明らかになった。バチカンは国連『子どもの権利条約』締約国。 報告書は「過去数十年にわたって聖職者によって行われた子どもへの性的虐待は増加しており、これら犯行に正しく対応せずに来たこと、犯行がさまざまな国で発生し続けている」と指摘する。「そのような失策には、加害者に対し適正な捜査をせず、その地位から異動だせないこと、捜査当局に協力しないこと、被害者へ正当な賠償を行わないことも含まれる」という。□ ―――――――― ◎『カリタス急行』が注目の中、煙あげて出発 【CJC=東京】バチカン市国の駅から5月21日、『カリタス急行』が蒸気機関車に牽引されて出発する、との予告はメディアの関心を呼んだだけでなく、乗車希望者も殺到、救援団体『カリタス』関係者を喜ばした。 しかし「なぜ汽車なのか」。その疑問に答える間もなく、担当者オスカル・アンドレス・ロドリゲス・マラディアサ枢機卿は7号車に乗り込んだ。 1962年には当時の教皇ヨハネス23世がアッシジ訪問に際し利用したことを思い出させるが、枢機卿はくつろいだ雰囲気。トンネルに入ると煙が遠慮なく車内に立ち込める中で、創立60周年の第19回総会を記念してカリタスが『カリタス急行』運行を考え出したか、説明する。 「汽車はさまざまな努力の結晶だ。それはレールだけでなく1両ずつ続く客車でもある。神の愛が隣人への愛となれることのシンボルだ。今カリタスには客車165両が連結されているが、それは165国のカリタスが巨大なカリタス連合を結成していることを意味する」と言う。 『カリタス急行』を一目見ようと集まった親子、さらには大使や司教、司祭を整理するのに警備陣も汗だく。出発時刻の午前10時が近づくと、運転士や機関士は下車して膝まづき、祝福を祈った。それから所定の位置に着き、汽笛一声、『カリタス急行』は煙と蒸気をはきながらバチカン市国の城壁に沿って走り出し、午後12時13分、陽光の中、列車はウンブリア州の古都オルヴィエトに到着した。□ ―――――――― ◎イエスが洗礼を受けた現場に巡礼急増 【CJC=東京】イエスがバプテスマのヨハネから洗礼を受けたのはヨルダン川。推定される現場、西岸のカシール・アル・ヤフドを世界中から巡礼が訪れていたが、中東紛争の中でイスラエル軍の軍事監視区域となり、地雷を敷設して一般人の立ち入りを制限していた。それから40年、地雷が撤去され環境整備が進んで、現地を訪れる巡礼が急増している。 ユダヤ教にとっても現地は、エジプトから脱出したイスラエル人が「約束の地」にたどり着いた所とされている。 2010年は約6万人が訪れたが、これは2004年の3倍にあたる。さらに11年は4月までですでに4万4000人を数えている。 一方、ヨルダン政府観光局は東岸こそイエスの洗礼の場所と宣伝している。教皇ベネディクト16世は2009年にヨルダン側を訪問したが、現場の確定については言及を避けた。□ ―――――――― ◎あのホーキング博士が天国を否定 【CJC=東京】英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士が5月16日、有力紙『ガーディアン』とのインタビューで、天国について「暗闇が怖い人間のための架空の世界」と述べ、宗教の根幹を成す概念を改めて否定した。 同博士は1988年、著書『ホーキング、宇宙を語る』で「神というアイデアは宇宙に対する科学理解と必ずしも相いれないものではない」と記していた。 2010年の『ホーキング、宇宙と人間を語る』では、「宇宙創造の理論において、もはや神の居場所はない」と述べている。 今回のインタビューで、博士は21歳の時に発症した運動ニューロン疾患との闘いにも影響されていると語った。「脳はコンピューターのようなもの。部品が壊れれば動作しなくなる。壊れたコンピューターには天国も来世もない。天国は、暗闇を恐れる人間のための架空の世界」と語っている。□ ―――――――― ◎5月21日に「推挙」はなかった!? 【CJC=東京】米カリフォルニア州オークランドのキリスト教系ラジオ・ネットワーク『ファミリー・ラジオ』のハロルド・キャンピング主宰者(89)は、5月21日午後6時に、大地震とともに神に選ばれた地上のキリスト教徒が天に挙げられる「携挙」が起きるという「最後の審判」の予言をしていた。ネットワークは全米66放送局を始め国際的にも展開している。同局のサイトにもメッセージが掲出された。 キャンピング氏の言動は米国メディアの関心を引き、中にはそれを信じて準備を始めた人もいた。仕事を辞めてしまい、手遅れにならないうちに悔い改めるよう通行人を説得した人、自費で大量の告知板を掲出する人も。逆に見納めとばかりに、家族全部でナイアガラの滝などの見物に出掛けたり、クレジット・カードで高額の買い物をする人もいた。 ニューヨークでは交通関係の労働者だったロバート・フィッツパトリック氏(60)が、14万ドル(約1120万円)を投じて地下鉄車両内や屋外に広告を掲載した。また当日はタイムズ・スクエアでリーフレットを道行く人に手渡ししながら現地時間の午後6時に「審判」の始まるのを待ち構えていた。時間が来ると、「なぜだ…」と絶句、時計に見入っていたという。 一方でキャンピング氏の言動に反発する動きも盛んで、首都ワシントンで携挙が起こらないことを祝う「世界の終わりパーティー」の計画も発表された。 当日『ファミリー・ラジオ』は、審判の日とは関係のない音楽などを流し、21日を過ぎても同局からは何も発表は無く、同氏の所在は不明。同州アラメダにある自宅のベルは押しても応答がない。オークランド本部のドアには「事務所は閉鎖中」と掲示があったという。抗議に訪れる人よりもメディアの数が多かった。 有力紙ワシントン・ポストによると、失望した信奉者が自殺しないようホットライン電話も設けられた。 キャンピング氏は1994年にも携挙が起こると予言していたという。マヤ歴が2012年に地球の滅亡を予言していると主張する人も存在するなど、「最後の日」への関心は絶えない。ただ日時を指定された場合、時差をどのように考慮するのか、米国東部標準時の21日午後6時は、日本などではすでに22日になっているのだが…。□ ―――――――― ≪短信≫CJC通信速報(Twitter:cjcpress)から。 ≪アジア≫ ▽女性信者に対する準強姦の罪に問われた韓国籍の牧師(62)に水戸地裁土浦支部が無罪判決。 ≪欧州≫ ▽教皇ベネディクト16世が5月21日、国際宇宙ステーションのクルーと交信した。教皇は、バチカン(ローマ教皇庁)の書斎でテレビモニターに映しだされた12人のクルーと会話した。イタリアの宇宙飛行士ロベルト・ヴィットリ氏は、教皇から寄贈された銀メダルを無重力状態で浮かぶ様子を披露した。 ≪中米≫ ▽世界教会協議会主宰の『国際エキュメニカル平和コンボケーション』(IEPC)がジャマイカのキングストンで5月18日開幕。 ▽世界教会協議会は『国際エキュメニカル平和コンボケーション』(IEPC)会議をウエブ上で中継放映。 ―――――――― 《メディア展望》 =カトリック新聞(5月22日)=http://www.cwjpn.com ★教皇代理、被災地を訪問=「主イエスと全教会が皆さんと」 ★教皇ヨハネ・パウロ2世列福感謝ミサ=日本の教会も 喜び共に ★被災地の臨時診療所=福岡・聖マリア病院が支援=延べ80人の医療関係者ら参加=岩手・陸前高田市 ★カトリック医師会=被災者への募金生かし=各地で支援続ける ★「警察 頼りにならず」=エジプト=司教、暴力事件後に語る =キリスト新聞(5月21日)=http://www.kirishin.com ★東日本大震災=日本クリスチャンアカデミー関東が現地報告会 ★教文館セミナー「死にどう備えるか」=“葬儀は牧会の務め” ★東京基督教大学、公共福祉研究センターで創設でシンポ=市民の手で新しい「公共福祉」を ★カトリック東京教区=支援活動一本化=ボランティアセンター設立 ★前教皇ヨハネ・パウロ2世「福者」に =クリスチャン新聞(5月22日)=http://jpnews.org ★J+PASSION Tokyo 2011=災害だからこそ開催=「すべてを神に」信仰の決心100人 ★復興の第一歩=「荒野」で礼拝 ★危機に打ち勝つ復活の命=震災後の首都圏イースター「恐れを変え活かす力」宣教 ★ゴスペルの力を被災者に=アーティストら「東北応援団」団結式 ★最期まで不屈の文書宣教=カナダでマクビーティー氏記念会 ―――――――― ◆世界キリスト教情報◆ご案内 ☆活動紹介・メールマガジン(整形テキスト)お申し込みは http://homepage3.nifty.com/cjc-skj/で。 ☆ニュースレター(PDF)・同報メール(無整形テキスト)お申し込みは cjcpress@gmail.comまで。 ☆既刊号は下の各サイトで ・ニュースレター=PDF http://www.evernote.com/pub/cjcpress/skjweekly/ ・メールマガジン http://blog.livedoor.jp/skjweekly/ ・同報メール http://cjcskj.exblog.jp/ ☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用ください http://www.kohara.ac/church/ …………………… ☆CJC通信(メディア向けですが、どなたでもお読みいただけます) http://blog.livedoor.jp/cjcpress/ ☆CJC通信速報(Twitterを利用しています) http://twitter.com/cjcpress/ ―――――――― ■
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| 2011-05-23 20:31
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